エフェクターで加工したアコースティック・ベースの独特な響きがトレードマークのエバーハルト・ウェーバー。
エバーハルト・ウェーバーがECMのベーシストとして重要な位置付けにあるのは事実だと思うが,個人的にエバーハルト・ウェーバーの演奏目当てでCDを買った経験がない者としては,生誕75周年記念のトリビュート・ライブが豪勢に執り行なわれ,尚且つ,その場に“ギターの巨匠”のパット・メセニー“サックスの巨匠”のヤン・ガルバレク“ヴァイヴの巨匠”のゲイリー・バートンが“揃い踏み”してしまったとは…。
その上で『HOMMAGE A EBERHARD WEBER』(以下『オマージュ』)と題されたライブ盤としてリリースされてしまうとは…。
実は『オマージュ』をパット・メセニー目当てで購入した管理人としては,エバーハルト・ウェーバーの偉大さ,人徳と言うものをこのアルバムで初めて認識した次第なのです。
『オマージュ』にサブタイトルを付けるなら「ついに明らかにされたエバーハルト・ウェーバーの偉人ぶり」ってのはどうですか?
『オマージュ』の主役であるエバーハルト・ウェーバー。実は2007年に脳梗塞で倒れ,せっかくの晴れ舞台でベースを演奏することはできなかった。
ゆえに『オマージュ』のトリビュート・ライブは,過去のエバーハルト・ウェーバーの「テープ音源」を流し,その上に生演奏を被せるという変則のステージ進行。
そんな「キワモノ」な企画だったのに『オマージュ』のステージに上がったジャズメン全員が,非常に真摯でクリエイトしているのが素晴らしい。エバーハルト・ウェーバーへの“リスペクト”がそこはかとなく感じられる。ECMらしくない?温かい音がする。
そうは言っても『オマージュ』のトリビュート・ライブの主役を張ったのは,ECMに久しぶりに帰ってきたパット・メセニーであった。
『オマージュ』でのパット・メセニーの出演は【HOMMAGE】1曲のみ。でもこの1曲が完璧であって,見事にエバーハルト・ウェーバーの過去の演奏テープとシンクロしてみせている。
エバーハルト・ウェーバーのテクスチャーを彷彿とさせる響きが,31分を超えるメセニー・サウンドの文脈の中で結実している。素晴らしい「長編小説」としてのオマージュなのだと思う。
いいや,パット・メセニーの演奏がここまで光っているのはパット・メセニー1人の力量ではない。
『オマージュ』のトリビュート・ライブのステージに上がったヤン・ガルバレクのソプラノ・サックスやゲイリー・バートンのヴィブラフォンの演奏が相当にいい。
そんな全ての“お膳立て”の上に乗ったパット・メセニーのギター! そしてその頂点に祭り上げられているのがエバーハルト・ウェーバーのベース・ヴァーチャル〜!
ECMのかつてのスター・プレイヤーが再集結してエバーハルト・ウェーバーへのオマージュを奏でる。ビッグ・バンドの雄大なアンサンブルがシンフォニーしている。
全編統一感のある『オマージュ』の「音の香り」の好感度が非常に高い。新旧ECMの空気感を堪能できる『オマージュ』の至福に聴き入っていると「夢の中を彷徨っている」ような豊かな気分に満たされる。
『オマージュ』はECMレーベルの長い歴史が産み落とした,名盤ライブの1枚だと思う。
01. RESUME VARIATIONS
02. HOMMAGE
03. TOUCH
04. MAURIZIUS
05. TUBINGEN
06. NOTES AFTER AN EVENING
エバーハルト・ウェーバーがECMのベーシストとして重要な位置付けにあるのは事実だと思うが,個人的にエバーハルト・ウェーバーの演奏目当てでCDを買った経験がない者としては,生誕75周年記念のトリビュート・ライブが豪勢に執り行なわれ,尚且つ,その場に“ギターの巨匠”のパット・メセニー“サックスの巨匠”のヤン・ガルバレク“ヴァイヴの巨匠”のゲイリー・バートンが“揃い踏み”してしまったとは…。
その上で『HOMMAGE A EBERHARD WEBER』(以下『オマージュ』)と題されたライブ盤としてリリースされてしまうとは…。
実は『オマージュ』をパット・メセニー目当てで購入した管理人としては,エバーハルト・ウェーバーの偉大さ,人徳と言うものをこのアルバムで初めて認識した次第なのです。
『オマージュ』にサブタイトルを付けるなら「ついに明らかにされたエバーハルト・ウェーバーの偉人ぶり」ってのはどうですか?
『オマージュ』の主役であるエバーハルト・ウェーバー。実は2007年に脳梗塞で倒れ,せっかくの晴れ舞台でベースを演奏することはできなかった。
ゆえに『オマージュ』のトリビュート・ライブは,過去のエバーハルト・ウェーバーの「テープ音源」を流し,その上に生演奏を被せるという変則のステージ進行。
そんな「キワモノ」な企画だったのに『オマージュ』のステージに上がったジャズメン全員が,非常に真摯でクリエイトしているのが素晴らしい。エバーハルト・ウェーバーへの“リスペクト”がそこはかとなく感じられる。ECMらしくない?温かい音がする。
そうは言っても『オマージュ』のトリビュート・ライブの主役を張ったのは,ECMに久しぶりに帰ってきたパット・メセニーであった。
『オマージュ』でのパット・メセニーの出演は【HOMMAGE】1曲のみ。でもこの1曲が完璧であって,見事にエバーハルト・ウェーバーの過去の演奏テープとシンクロしてみせている。
エバーハルト・ウェーバーのテクスチャーを彷彿とさせる響きが,31分を超えるメセニー・サウンドの文脈の中で結実している。素晴らしい「長編小説」としてのオマージュなのだと思う。
いいや,パット・メセニーの演奏がここまで光っているのはパット・メセニー1人の力量ではない。
『オマージュ』のトリビュート・ライブのステージに上がったヤン・ガルバレクのソプラノ・サックスやゲイリー・バートンのヴィブラフォンの演奏が相当にいい。
そんな全ての“お膳立て”の上に乗ったパット・メセニーのギター! そしてその頂点に祭り上げられているのがエバーハルト・ウェーバーのベース・ヴァーチャル〜!
ECMのかつてのスター・プレイヤーが再集結してエバーハルト・ウェーバーへのオマージュを奏でる。ビッグ・バンドの雄大なアンサンブルがシンフォニーしている。
全編統一感のある『オマージュ』の「音の香り」の好感度が非常に高い。新旧ECMの空気感を堪能できる『オマージュ』の至福に聴き入っていると「夢の中を彷徨っている」ような豊かな気分に満たされる。
『オマージュ』はECMレーベルの長い歴史が産み落とした,名盤ライブの1枚だと思う。
01. RESUME VARIATIONS
02. HOMMAGE
03. TOUCH
04. MAURIZIUS
05. TUBINGEN
06. NOTES AFTER AN EVENING
(ECM/ECM 2015年発売/UCCE-1151)
(スリーブケース仕様)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,エバーハルト・ウェーバー,原田和典)
(スリーブケース仕様)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,エバーハルト・ウェーバー,原田和典)