JAFROSAX-1 勝田一樹ソロ・プロジェクト「JAFROSAX」とは「JAZZTRONIK」方面の「クラブ・ジャズのポップス化」である。

 しかし「JAFROSAX」の『JAFROSAX』を「野崎良太サックスヴァージョン」と片付けるのは本意ではない。CDジャケットジャミロクワイの風貌だし?
 いやいや,そうではなくて『JAFROSAX』には小野塚晃の陰が大きいと思うからだ。

 ズバリ『JAFROSAX』を語る際,忘れてならないのはDIMENSIONの『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』の存在である。

 『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』とはDIMENSION最大の問題作。要はDIMENSIONの手による“リスニング系”のクラブ・ジャズ・アルバムであった。
 無機質なループに生楽器がアクセントをつけている。乾いている。COOLである。耳につくのは一定したグルーヴであってメロディーではなかった。

 だから「JAFROSAX」=「JAZZTRONIK」方面の「クラブ・ジャズのポップス化」に至ったのだろう。基本クラブ・ジャズにしてグルーヴよりもメロディー重視なのだろう。
 勝田一樹野崎良太=「JAFROSAX」とはならない。勝田一樹野崎良太小野塚晃が揃っての「JAFROSAX」なのである。

 それくらいに小野塚晃の熱量を感じる。管理人の『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』への不満は(初めてハッキリと書くが)小野塚晃への不満であった。
 『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』に,小野塚晃得意のJAZZYなアプローチがあれば。オルガン・ジャズなアプローチがあれば。DIMENSIONのその後も変わっていた?

JAFROSAX-2 小野塚晃の『JAFROSAX』でのリベンジとは「機械音と生音のバランス」にある。
 打ち込みの上に勝田一樹が吹き上げるテナーサックスと7人のゲスト・ヴォーカリストが,とことんPOPなのにJAZZYなアプローチで攻める小野塚晃のリズム・トラックと無邪気に戯れている。おお,これだこれっ!

 きっと野崎良太は『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』が大好きなことことだろう。勝田一樹小野塚晃も『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』を客観視できるまで聴き込んだことだろう。

 そう。「クラブ・ジャズのポップス化」=『JAFROSAX』で勝田一樹が掲げた「裏テーマ」とは『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』のUPDATEアルバムなのである。

  01. Drawn 2 U
  02. In The Morning
  03. Going to the sky
  04. New Standard Of The Future
  05. Rollin'
  06. 真・空・感
  07. Wait & See
  08. Hi-Tech Jazz
  09. Just Like A Tiger's Eye
  10. Free
  11. Room In Your Heart

(コナミ/KMEWAVE 2004年発売/POCE-7318)

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