FORECAST-1 「スタッフ」の2枚看板であるエリック・ゲイルコーネル・デュプリーのツイン・ギター。 
 そんなエリック・ゲイルコーネル・デュプリーが「スタッフ」結成前の同時期にソロ・アルバムを発表していた。
 管理人が最初に聴いたのはコーネル・デュプリーの方だった。

 コーネル・デュプリーの『TEASIN’』を聴いてアレレ? 詳しくは『TEASIN’批評を読んでいただくとして「まっ,コーネル・デュプリーは,所詮サイド・ギターだから」という理由で納得したものだから,続くエリック・ゲイルの『FORECAST』(以下『フォアキャスト』)へのハードルが上がったように思う。

 そんな期待値の高まった『フォアキャスト』であったが,手放しで素直に素晴らしい。とにかく優しい音で聴きやすい。それでいてエリック・ゲイルの個性は薄まっていない。要は“見せ方の問題”なのであろう。

 『フォアキャスト』のプロデューサーは“CTIの総裁”クリード・テイラー。そしてディレクター&アレンジャーはボブ・ジェームス
 この2人が降り掛けたブラス・アンサンブルの“音のマジック”が実にチャーミング! 超一流の豪華ゲスト陣が実にチャーミング!

 『フォアキャスト』は,演奏云々と言うよりも曲の良さに素直に引き込まれてしまうが,そこはエリック・ゲイルである。ファンキーでメロウ,ブルージーで“むせび泣く”ように音が伸びる「泣きのギター」が冴えまくっている。

 そう。『フォアキャスト』は,エリック・ゲイルの「泣きのギター」とクリード・テイラーボブ・ジェームスの「ポップでソフト&メロウな“R&B”フュージョン」の両方が楽しめる!

FORECAST-2 『フォアキャスト』を聴いて「スタッフ」って,自分たちが楽しめる音楽を演奏するバンドだったことが理解できた。
 サイドメンとして無数のセッション・ワークを彩ってきたエリック・ゲイルのストレス発散が「スタッフ」のメンバーとの演奏にあった。

 「スタッフ」結成前のエリック・ゲイルでは『フォアキャスト』が一番楽しんでいる!

  01. Killing Me Softly With His Song
  02. Cleopatra
  03. Dindi
  04. White Moth
  05. Tonsue Corte
  06. Forecast

(CTI/KUDU 1973年発売/KICJ-2216)
(ライナーノーツ/ロバート・レヴィン,青木和富)

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