SUPREME -THE BEST OF EJT--1 管理人がヨーロピアン・ジャズ・トリオを知るきっかとなったベスト盤『SUPREME −THE BEST OF EJT−』(以下『サプリーム〜ザ・ベスト・オブ・EJT〜』)を聴いてみると,当時のヨーロピアン・ジャズ・トリオの立ち位置が分かる。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオとは,非アメリカーナなジャズ・トリオの“象徴”である。
 ジャズとはリズムをクリエイトした音楽なのだが,ヨーロピアン・ジャズ・トリオは美しいメロディーをクリエイトするバンドであって,リズム隊はビート・キープが出来ればよろしい。
 そんな「狭められた枠内」でのアドリブ1本で勝負するヨーロピアン・ジャズ・トリオのアイディアとは「非アメリカン・ジャズ」にあった。

 ジャズスタンダードではない。隠れた名曲でもない。ヨーロピアン・ジャズ・トリオは,誰もが一度は耳にしたことのあるポピュラー・ソングや映画音楽などを“いかにもジャズっぽく”演奏するバンドである。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオの勝算とは,まずは演奏を聞いてもらうこと。聞いてもらう機会さえがあれば,自分たちの側に引き寄せる自信があるのだろう。
 事実,ヨーロピアン・ジャズ・トリオの良さは徐々に口コミで広まってきた。最初にガツンと来ることはない。お洒落なカフェで聞いたことのあるような雰囲気なのに,じっくりと耳を傾けたが最期,ヨーロピアン調のピアノ・トリオの虜にされる。

SUPREME -THE BEST OF EJT--2 普段聞いているアメリカン・ジャズとは異なるのに,もしやヨーロピアン・ジャズ・トリオこそが王道のジャズだと思う瞬間に襲われる。
 まぁ,そう思う瞬間とは決まってスロー系とミディアム系ばかりなのが,EJTの真骨頂であり生命線である。

 『サプリーム〜ザ・ベスト・オブ・EJT〜』を男女の雰囲気作りのために選ぶ人もいることだろう。でも聴きやすいからと用心していないとEJTからの「不意打ち」に合いますよっ。

  01. MARIA (WEST SIDE STORY)
  02. DJANGO
  03. LIEBESTRAUM NO.3
  04. GOLDEN EARRINGS
  05. EUROPA
  06. CARMEN - HABANERA
  07. ENDLESS LOVE
  08. 24 CAPRICCI
  09. LIBERTANGO
  10. THE WAY YOU LOOK TONIGHT
  11. PHASE DANCE
  12. MAZURKA NO.1
  13. CARAVAN
  14. PATHETIQUE

(M&I/M&I 2002年発売/MYCJ-30135)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/染川理咲)

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