MY ROMANCE -SADAO PLAYS BALLADS--1 『MY ROMANCE −SADAO PLAYS BALLADS−』(以下『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』)での渡辺貞夫の演奏はすでに完成されている。いい演奏に違いない。

 しかしその一方で『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』のナベサダを“青い”とも感じる。心のどこかがしっくりこない。管理人の愛する渡辺貞夫が“軽い”のだ。

 そう。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』の印象はフレッシュで若々しい。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』がバラード・アルバムなのだから余計にそう感じるのだろう。

 でもそう感じてしまう自分自身がうれしいのだ。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』を聴いていると,アルバムを聴き終える途中で毎回思考が飛んでしまう。それは現在の渡辺貞夫についてである。現在の渡辺貞夫の“円熟ぶり”について喜びを噛みしめる自分がいる。

 ズバリ『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』の演奏は悪くはないが,どうしても「世界一の音色」を奏でる現在の渡辺貞夫が基準ゆえにバークリーから帰国直後の演奏が劣って聴こえてしまうのだ。

 もはや管理人にとって60年代の渡辺貞夫と80年代以降の渡辺貞夫は別人扱い。それくらい渡辺貞夫の進化が目覚ましいし,「青い&若い」と「スター・オーラ&円熟」がハッキリと識別できる。

MY ROMANCE -SADAO PLAYS BALLADS--2 それにしても「青い」ナベサダがなぜこの時期にバラードなのかというと,当時のタクトナベサダのレコーディング・ラッシュ。
← 『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』が録音された1967年にはアルバム9枚。

 そりゃ毎月毎月レコーディングしていたらバラードの1枚でも録音したくなるもんです。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』は渡辺貞夫の逆・若気の至りかも?

PS 『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』のジャケット写真を見た妻の一言。「この人,真木蔵人に似ている」。似ている?

  01. THEY SAY IT'S WONDERFUL
  02. MY ROMANCE
  03. SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD
  04. ONCE UPON A SUMMERTIME
  05. A NIGHTINGALE SANG IN BARKLEY SQUARE
  06. IT'S EASY TO REMEMBER
  07. HERE'S THAT RAINY DAY
  08. LITTLE GIRL BLUE
  09. MY FOOLISH HEART
  10. THAT'S ALL
  11. SPRING IS HERE
  12. I THOUGHT ABOUT YOU
  13. OLD FOLKS

(タクト/TAKT 1967年発売/COCB-54252)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/野口久光,青木和富)

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