WHAT'S A MELODY?-1 デビュー・アルバム『MASATO』で“天下を獲った”今津雅仁! 日本中の全ジャズ・ファンが期待値MAXで迎えた2ndが『WHAT’S A MELODY?』。
( 『MASATO』はスイングジャーナル誌主催「ジャズ・ディスク大賞」【日本ジャズ賞】受賞! )

 演歌系のこぶし廻しというべきか? ブッカー・アービン風の癖というべきか? 今津雅仁テナーサックスは相変わらずのファンキー・サックス全開で『WHAT’S A MELODY?』も親しみやすいジャズ・アルバム仕上げ。
 ただし,結論から書くと『WHAT’S A MELODY?』で今津雅仁が没落した。『MASATO』路線を変更したわけでもないのに,こんなにも響かないのはなぜなのだろう…。

 思うに,何のプレッシャーもなく,自由気ままに,思う存分,自分の演りたいジャズを演奏したのが『MASATO』だとすれば,レコード会社からのオーダーとかプレッシャーとかで,あの「本能的に思いつくがまま」の最良の部分が薄れてしまって,平々凡々の…。
 一気に今津雅仁への関心が薄れてしまった…。

 一応,今津雅仁の名誉のためにフォローしておくと,管理人が『WHAT’S A MELODY?』にハマラなかったのは,アドリブ一発がどうにも事前に考えられていたかのようで気に障るから…。
 『WHAT’S A MELODY?』では,荒削りの部分が整えられて,曲単位での完成度は『MASATO』より上がっている。

 それは今津雅仁テナーサックスだけではなくて,吉岡秀晃ピアノ沼上励ベース屋代邦義ドラムについても当てはまる。

WHAT'S A MELODY?-2 そう。『WHAT’S A MELODY?』は今津雅仁ソロ名義ではなく「今津雅仁 & FUZZ MOTION」なるコンボ名義でのリリースになったのも,全員が自由に演奏するスタイルからアンサンブル指向に舵を切った「大義」なのだと思っている。

 仮に『WHAT’S A MELODY?』にハマッテいたら,アドリブログの一押しは矢野沙織ではなく今津雅仁だったのかもしれない。
 正直,2週間前に『MASATO』を10年振りに聴いて,大興奮して,そう思ってしまったんだもん。くまもん。

  01. But That's Impossible!
  02. Willful Drunkers
  03. Just One Time
  04. Lookin' Around The Bay
  05. Spring Tide
  06. The Girl Of My Heart

(ファンハウス/FUN HOUSE 1990年発売/FHCF-1056)
(ライナーノーツ/市川正二)

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