
そんなルーティーンを打ち破って,本田俊之が久々にリリースしたフュージョン・アルバムが『REED MY LIPS』(以下『リード・マイ・リップス』)である。
しかも『リード・マイ・リップス』は,単なるフュージョン・アルバムではない。真にワールド・クラスのセッション・ミュージシャンが「本田俊之・フュージョン」のために集結している。
ドラムのヴィニー・カリウタ,ベースのニール・スチューベンハウス,ギターのマイケル・ランドウ,パーカッションのマイケル・フィッシャー,トランペットのジェリー・ヘイ,トランペットのゲイリー・グラント,アルト・サックスのラリー・ウイリアムス,テナー・サックスのピート・クリストリーブ,ギターの梶原順,パーカッションの横山達治 ETC
『リード・マイ・リップス』は,LAフュージョンとJ−フュージョンの2つのセッション・チームに分かれて録音されているのだが,どっちがLAでどっちが国内だとか,そんな切れ目など感じられない。
そう。『リード・マイ・リップス』の全9曲が,全て「本田俊之・フュージョン」としか語れない。

本田俊之のサックスは,ハードに吹いてもソフトに吹いても,まろやかでいつも優しさに包まれる。
なんだか,あのヴィニー・カリウタやマイケル・ランドウでさえ,本田俊之と“笑顔で”セッションしている様子が音から伝わってくる。
01. CRASH COURSE
02. LA JOLLA
03. INASE NIGHT
04. MIND GAMES
05. SIESTA
06. FANCY FREE
07. COMME CI, COMME CA
08. HIGH SPEED CHASE
09. 約束の夏〜Farewell my summer
(東芝EMI/WHO RING 1992年発売/TOCT-6702)