TRILOGY 2-1 ピアノチック・コリアベースクリスチャン・マクブライドドラムブライアン・ブレイドによる,チック・コリアの何代目かの新ピアノ・トリオによるライブ盤『TRILOGY 2』(以下『トリロジー2』)が真に素晴らしい。

 リスナーのすぐ目の前でチック・コリアクリスチャン・マクブライドブライアン・ブレイドのビッグネームの3人が“最高の音楽の会話”を交わしているかのような臨場感に圧倒されてしまう。

 「CD2枚組」の圧倒的ボリューム。そのほとんどが10分を超える長尺集。“最高の音楽の会話”が止まらないのだ。ジャズ界の最高峰に君臨する3人だからこそ,分かりあえる&語り合える“最高の音楽の会話”が詰まっている。
 だから(『トリロジー2』では『トリロジー』のように「総収録時間3時間20分以上」とCD帯に謳われてはいないが)躍動感に溢れたタイトな演奏に引き込まれ,ふと聴き始めたが最後。一気に2時間の長丁場を完走してしまった。
 そう。『トリロジー2』の真実とは,長時間聴いても聴き飽きないピアノ・トリオ。それどころかまだまだ聴きたくなる。

 あの『トリロジー』から5年も経っているというのに『トリロジー2』の出だしの一音を聴いて,5年前の『トリロジー』の興奮が湧き上がってくる。正真正銘の続編である。

 …というよりも『トリロジー』の3枚に続く『トリロジー2』の2枚が,それぞれディスク4とディスク5のように感じる。
 そう。『トリロジー』+『トリロジー2』=5枚組『TRILOGY LIVE』で間違いない。

 すなわち『トリロジー2』は『トリロジー』のアウト・テイク集などではない。演奏のクオリティは同じか,あるいはそれ以上! ますますレベルアップして聴こえる瞬間がある&ある×ある。

 ジャズメンといえども年齢を重ねるにつれ,手慣れた表現方法に留まり,英知や機知に頼り,自身の栄光の中に安住するようになると思うのだが,チック・コリアの場合は違う。
 チック・コリアは年齢を重ねるにつれ,ますます冒険的で大胆になっていく稀代のジャズメンである。

 尤もクリスチャン・マクブライドブライアン・ブレイドの圧倒的な創造力を一番近くで浴びているのだから,チック・コリアも過去の栄光の上に胡坐をかいてなどいられない。
 2人に負けじと,最先端のジャズに乗り遅れまいと,必死に真剣にピアノをドライブさせている。“鬼のような”ジャズ・ピアノの連続にはもうひれ伏すことしかできない。

TRILOGY 2-2 ベースクリスチャン・マクブライドドラムブライアン・ブレイドも凄いのだが『トリロジー2』のハイライトはチック・コリアの「横綱級」のピアノに尽きる。
 チック・コリアの,瞬時のインタープレイ&怒涛のアドリブに燃えまくる!

 『トリロジー』+『トリロジー2』=5枚組『TRILOGY LIVE』までが世に出ましたが,当然『トリロジー3』の発売予定もありますよねっ。『COMPLETE TRILOGY LIVE』なるボックス・セットの発売予定もありますよねっ。

 お願いです。超名演の「お宝音源」を絶対に手元で眠らせないでください。管理人は『TRILOGY』シリーズが最終的に10枚組になろうとも全部買って全部聴き込みます! 素晴らしい!

  CD1
  01. How Deep Is the Ocean
  02. 500 Miles High
  03. Crepuscule with Nellie
  04. Work
  05. But Bueautiful
  06. La Fiesta

  CD2
  01. Eiderdown
  02. All Blues
  03. Pastime Paradise
  04. Now He Sings, Now He Sobs
  05. Serenity
  06. Lotus Blossom

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2018年発売/UCCJ-3038/9)
(☆SHM−CD仕様)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/ロビン・D.G.ケリー,原田和典)

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