III 〜MY FAVORITE〜-1 「熱帯JAZZ楽団」(「TROPICAL JAZZ BIG BAND」)。それは「熱帯」を名乗っているがラテンではない。「JAZZ」を名乗っているがジャズではない。「楽団」を名乗っているがビッグ・バンドはない。

 管理人は「熱帯JAZZ楽団」=ラテン・ジャズ・ビッグ・バンドで当たりだと思っていたが,どうやら公式にはそうではない。
 リーダーであるカルロス菅野が説明する「熱帯JAZZ楽団」のコンセプトとは“エンターテインメント”!

 管理人の初めての「熱帯JAZZ楽団」である『掘 腺唯戞。藤腺孱錬劭稗圍邸』を聴いて“エンターテインメント!”という説明が腑に落ちた。
 ジャズあり。フュージョンあり。映画音楽あり。ラテンあり。ポップスあり。ソウルあり。そしてオリジナルもある。

 そう。「熱帯JAZZ楽団」の音楽性とはボーダレス。すなわち“エンターテインメント!”。「楽しくなければテレビじゃない。楽しくなければ『熱帯JAZZ楽団』じゃない」なのだ。TVは没落してしまったが「熱帯JAZZ楽団」は永遠に“エンターテインメント!”。

 フランクな設定のビッグ・バンドにしてビッグ・バンド・メンバーは全員カルロス菅野の友人と来ている。問題が起こるとすれば,メンバー全員が超多忙ゆえにビッグ・バンドとして活動するためのスケジュール調整だけであろう。
 その点も考慮してなのか,塩谷哲に限らずカルロス菅野の出戻りOKのスタンスには「先見の明」があったと思う。

 ただし,そんな緩い条件ゆえに,メンバーが入れ替わっても毎度変わらず「熱帯JAZZ楽団」の音!ブレのない統一感!が鳴るためのアレンジの苦心には称賛の言葉を惜しんではならない。
 「熱帯JAZZ楽団」のバンド・メンバーは全員が日本を代表するファースト・コール・ミュージシャンばかり。その気になれば「超テクニカルな」ラテン・ジャズ・ビッグ・バンドも演れてしまうが,カルロス菅野は敢えてマニアックな方向には敢えて,大衆から愛される「熱帯JAZZ楽団」を目指したように思っている。

III 〜MY FAVORITE〜-2 管理人にはその理由が(イメージとしては余り結び付きにくいが)「オルケスタ・デ・ラ・ルス」での活動が影響しているように感じている。
 サルサ・バンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」での成功の軌跡が,今度はラテン・ジャズ・ビッグ・バンドを広めたいと願う際の方法論として生かされている。

 サルサ・バンド以上にインストのラテン・ジャズ・ビッグ・バンドって“とっつきにくい”ものだと思う。
 だ・か・ら・インストの間口を広めるための有名曲のカヴァーなのだ! ジャズあり。フュージョンあり。映画音楽あり。ラテンあり。ポップスあり。ソウルあり。そして最後の最後にアルバムに数曲入れているオリジナル勝負なのだ〜!

 『掘 腺唯戞。藤腺孱錬劭稗圍邸』では,硬派JAZZYな【マイ・フェバリット・シングス】と軟派JAZZYな【シング・シング・シング】。ディスコな【ガット・トゥ・ビー・リアル】と「オールナイト・ニッポン」のテーマ曲【ビター・スイート・ボンバ】。クインシー・ジョーンズとは「似て非なる」【アイ・キャント・ストップ・ラビング・ユー】が「熱帯JAZZ楽団」の“エンターテインメント!”。

  01. EPOCA DE ORO
  02. MY FAVORITE THINGS
  03. GOT TO BE REAL
  04. SING, SING, SING
  05. POR QUE NO?
  06. ROCKS
  07. BITTER SWEET BOMBA (BITTER SWEET SAMBA)
  08. RUINAS
  09. CHERRY PINK AND APPLE BLOSSOM WHITE
  10. I CAN'T STOP LOVING YOU
  11. PRENDE EL FUEGO

(ビクター/JVC 1999年発売/VICJ-60389)

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