IX〜MAS TROPICAL!〜-1 『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』に渡辺貞夫がゲスト参加すると聞きつけた時,もしや「熱帯JAZZ楽団」が渡辺貞夫を喰ってしまうのでは?と期待したのだが,やっぱり渡辺貞夫渡辺貞夫
 ズバリ『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』の真実とは「渡辺貞夫 WITH 熱帯JAZZ楽団」であった。

 そう。『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』で渡辺貞夫と共演していた「熱帯JAZZ楽団」の立ち位置は「ビッグ・バンドならぬバック・バンド」!
 これを渡辺貞夫の凄さと取ったあなたは「熱帯JAZZ楽団」の真のファンである。同時に“善良の塊り”渡辺貞夫の大ファンでもある。間違っても「熱帯JAZZ楽団」の演奏が,イマイチだ,と取ってはなりません。

 そもそもビッグ・バンドソロ・オーダーは短いものです。だから全編渡辺貞夫が前面に出る【オレンジ・エクスプレス】と【ベサメ・ムーチョ】がバック・バンド風に聴こえるのも当然のこと?

 それと渡辺貞夫が「熱帯JAZZ楽団」の実力を高く評価しているからこその大熱演。『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』での渡辺貞夫の演奏がいつも以上に気合いが入っている。
 “百戦錬磨”のナベサダ自身【オレンジ・エクスプレス】も【ベサメ・ムーチョ】も,久しぶりに演奏したことだろう。だから新鮮味があったのだろう。
 でもそれ以上に,こんなにも深いアンサンブルで演奏されたら,フロントとして燃えなければウソだろうし,ジャズメンとしても名乗れないであろう。

 『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』における渡辺貞夫の“突出”は,裏を返せば「熱帯JAZZ楽団」の爆演のおかげである。
 渡辺貞夫抜きの「熱帯JAZZ楽団」のオリジナルでは,いつものノリとハーモニー満載でリラックスした演奏集。かなり小難しいこともやってきている。

IX〜MAS TROPICAL!〜-2 「熱帯JAZZ楽団」の10周年記念盤『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』は,カルロス菅野にとって初めての「挑戦作」であり「冒険作」である。

 敢えて猛者たちの自我を封印し,全員がパーツの一部として意識的に演奏してきた,安定とか落ち着きといった言葉は10周年を迎えた「熱帯JAZZ楽団」には似合わなくなってしまった。

 ボーナス・トラックの【コーヒー・ルンバ】が軽やかでウキウキで大好きです。抑制された美しさと自由奔放な表現手法に大物たちの「自己表現」が表われたように感じます。 

  01. Machete
  02. Orange Express
  03. El Futuro
  04. Casa Verde
  05. Cosa Latina
  06. Besame Mucho
  07. Mambeo Mareo
  08. Quien Sera
  09. Tu Pintura
  10. Almost There
  11. Moliendo Cafe

(ビクター/JVC 2005年発売/VICJ-61277)

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