AQUA-MARINE-1 ジャズフュージョン・ファンにとって「ネイティブ・サン」とは「ジャズフュージョン」期の『NATIVE SON』と『SAVANNA HOT−LINE』の2枚であろう。
 管理人もその意見に全面的に同意する。学生時代には毎日のように『NATIVE SON』と『SAVANNA HOT−LINE』を聴いたものだった。

 ただし個人的には「ネイティブ・サン」と来れば,初期の「ジャズフュージョン」のイメージではなく,中期「トロピカル・フュージョン」をイメージする。
 全ては「ネイティブ・サン」のベスト盤『AQUA−MARINE』(以下『アクア・マリン』)の影響である。

 こうなったのには理由がある。過去にも書いたが上京のせいである。上京するにあたってレコードは持参できない。カセット・テープは持参して行ったが,次第にCDだけを聴く習慣が身に付いてしまった。
 そのCDもお金がないので,どれか1枚買うとしたらベスト盤を買う。

 渡辺香津美の『PERFECT RELEASE』しかり。高中正義の『TAKANAKA’S COCKTAIL』しかり。そして「ネイティブ・サン」の『AQUA−MARINE』しかり…。

 ただし「ネイティブ・サン」の『AQUA−MARINE』の欠点は『RESORT』『CARNIVAL(LIVE AT MONTREUX)』『GUMBO』『DAYBREAK』の4枚からのセレクションであって,肝心の『NATIVE SON』と『SAVANNA HOT−LINE』からは1曲も入っていないところ。

 中期「トロピカル・フュージョン」の「ネイティブ・サン」を知らなかった管理人。『アクア・マリン』は全曲が新曲。聴いて「あぁ懐かしい」の感情はなく,峰厚介サックスからはジャズのイメージが消えている。

 でもその代わりにグレッグ・リーベース・ラインに魅了されたし,本田竹曠キーボードが“楽園”していて,今までとはまるで違う“軟派な”「ネイティブ・サン」が,これはこれで大好きになっていった。

AQUA-MARINE-2 その後,お金に余裕が出来て,って言うか,お金があればジャズフュージョンにつぎ込んでいくようになったので,渡辺香津美高中正義のアルバムはCDで買い直してきた。
 ただし「ネイティブ・サン」については,ここ最近まで買い直すことはしなかった。もはや管理人にとっての「ネイティブ・サン」とは『アクア・マリン』の「ネイティブ・サン」になったから!

 ズバリ『アクア・マリン』とは,ザ・スクェアの『R・E・S・O・R・T』以前の『リゾート』ミュージック!
 初期「ネイティブ・サン」が成し得なかった,よりソフトケイテッドされたリラックス・ムードでの黄金サウンド!

 ジャズのプライドを捨てフュージョンという実を得た,本田竹曠峰厚介の“真のジャズメン・スピリッツ”が最高に「トロピカル」なのである。

  01. Bay Street Talkin'
  02. Caribbean Manatee
  03. Fantasia Carioca
  04. Freeport To Nassau
  05. Calipso Street
  06. Evolution Of The Nights
  07. Longing
  08. Toward Summer

(ポリドール/POLYDOR 1986年発売/H32P-20071)

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