THIRD REPORT-1 小池修って人気者なんだなぁ。「ミュージシャンズ・ミュージシャン」なんだろうなぁ。

 だって「SOURCE」と「EQ」のフロントマンですよ。ドラム石川雅春大坂昌彦が,ベース青木智仁納浩一が,キーボード小野塚晃青柳誠が,ギター梶原順トランペット佐々木史郎が,バンドのフロントマンとして小池修と一緒に演奏することを選んだのだから…。

 フュージョン界のファースト・コールが集まった「SOURCE」とジャズ界のファースト・コールが集まった「EQ」。
 その2つのバンドを唯一掛け持ちした人物がテナーサックス小池修。管理人なんかは小池修と来ればスタジオ・ミュージシャンとして3000以上のレコーディングに参加したという逸話がすぐに頭に浮かぶ。個人的には角松バンドの小池修
 だから小池修が「SOURCE」のフロントマンなのだろう。だから小池修が「EQ」のフロントマンなのだろう。

 今夜の実質「小池修批評」のお題は「EQ」の3枚目『THIRD REPORT』(以下『サード・リポート』)である。
 『サード・リポート』での小池修の響きが実にいい。バンドの音を背負った感じの重厚で説得力のあるフレージングである。自然体で大物然が感じられるのが凄い。

 小池修は基本的にはジャズの人である。しかしジャズフュージョンのインスト専業ではなく,氏の3000のレコーディングの中にはポップスや歌ものも多く含まれている。
 ストレート・アヘッドなジャズでありながら,アルバム1枚聴き通しても疲れない。そんな小池修の語り口が「EQ」の主戦場であるコンテンポラリー・ジャズにハマリまくる。フュージョン的なアプローチが,今までにないポップ性を発揮したように思う。

THIRD REPORT-2 そんな小池修の個性は,そっくりそのまま青柳誠の個性にも当てはまるし,納浩一の個性にも当てはまる。クリエイティブ!
 そうして「EQ」とは4人が対等の双頭バンドを名乗っているが,個人的には大坂昌彦がバンド・サウンドを主導しているように聴こえる。
 大坂昌彦の一番の特長とは“間口の広さ”にあるが『サード・リポート』は,バンドとしての決めごととバンドだから挑戦できる自由度がバランス良く両立できている。

 大坂昌彦がベーシックなサウンドを作り小池修が突っ走る。青柳誠が塔を建てれば納浩一が空間を埋めていく。
 『サード・リポート』とは,そんな「EQ」のコンテンポラリーの法則が“見つかれば見つかるほど”楽しめるアルバムである。

 
01. At the Entrance...
02. Chromaticism
03. The Polestar
04. 雨下の砂漠
05. Silence
06. Hoppin' Steppin'
07. 春夏〜Four Seasons Suite #1
08. Emotional Quality
09. ...a way...

 
EQ
OSAMU KOIKE : Tenor Saxophone, Flute
MAKOTO AOYAGI : Acoustic Piano, Rhodes
KOICHI OSAMU : Acoustic Bass, Electric Bass
MASAHIKO OSAKA : Drums

(ビクター/AOSIS RECORDS 2005年発売/VICJ-69002)
(ライナーノーツ/児山紀芳,小池修,青柳誠,納浩一,大坂昌彦)

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