WE SEE!!-1 うわぁ。多田誠司がいいよなぁ。スガダイローがいいよなぁ。素晴らしいデュオ・アルバムだよなぁ。

 『WE SEE!!』というアルバムは,多田誠司についての薀蓄やスガダイローについての含蓄など抜きにして,音を追いかけているだけで楽しくなる。うれしくなる。手放しで喜びたくなる。そんなアルバムである。

 スガダイローの強靭なリズムとコード・ワークに乗せて,骨太でフォーカスした多田誠司アルトサックスが響きまくる。
 多田誠司アルトサックスは,ともすると男らしい豪快なブロウに気を取られがちだが,時折見せるスイート・サウンドは古き良き時代の素朴さと優しさをそなえた実に美しい響き。

 多田誠司アルトサックスは,メインストリームだろうがフリーだろうが何をやっても「THE 多田誠司」。
 だ・か・ら・こんなにも優しい多田誠司アルトが聴けるとは,ただそれだけで「うっとり」してしまう。ピアノとのデュエットだからこそ実現できたアルトサックスの繊細な響きが真に極上である。

 もっともスガダイローピアノは甘くない。超ガンガンにプッシュしてくる。しかもピンポイントで多田誠司の大好きなツボを突きまくっている。
 こんなにも全身快感で満たされた多田誠司が,かつていただろうか? 多田誠司が“蛇口”をスガダイローにひねられている。

WE SEE!!-2 多田誠司がついに巡り会った,スガダイローという最高の音楽パートナー。絶好調の多田誠司が満足気に吹くジャズスタンダードが最高である。

 「丁々発止」という言葉などでは足りない,真に豊かな音楽性で繋がったデュエット。緩急の波とアドリブの応酬がスリリングなのに,ピタッと気持ちいいくらいにハマっている。

 ピアノサックスの組み合わせ。その相性の良さで評価するなら『WE SEE!!』はハービー・ハンコックウェイン・ショーターによるデュエット1+1』を超えたと思う。名盤である。

 
01. Nostalgia In Times Square
02. Jayne
03. You Taught My Heart To Sing
04. Alone Together
05. Sweet And Lovely
06. We See
07. ゆきゆきて円環
08. Lala! Lala!
09. All The Things You Are
10. Wig Wise

 
SEIJI TADA : Alto Saxophone
DAIRO SUGA : Piano

(スタジオトライブレコーズ/STUDIO TLIVE RECORDS 2014発売/STLR-010)
(紙ジャケット仕様)

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