
「KEEP」とは,バンドではなくセッション集団であると『DG−581』批評の中ですでに書いたが『KEEP ALIVE』を聴くと,もう少し的が絞れてくる。
ズバリ「KEEP」とは,ライブ・バンドではなくスタジオ・セッション集団というのが真実であろう。
『KEEP ALIVE』の演奏は凄い。凄いんだが,残念なことに,それが目の前の観客には訴求していない。何となく内向きな演奏であって,何度聴いても共感を覚える一歩手前で白けてしまう。
完全にマニアックで玄人志向のライブ演奏は,ヒリヒリするくらいの濃密なインタープレイの応酬であって,聴衆は置いてけぼりを喰わされている…。
そんな「気合いの空回り」は『KEEP ALIVE』のために準備された「KEEP」10年振りの再結成が理由にある。
『KEEP ALIVE』の名曲リスト。これは実に「KEEP」として10年振りの演奏なのである。そして全てが新曲のような響きをもっている。
そう。「空白の10年」が「昔のようには演奏しない」という,深町純,和田アキラ,富倉安生,山木秀夫の“ジャズメン魂”に火をつけた理由であり,それが『KEEP ALIVE』を(ライブ会場を舞台とした)スタジオ・セッションへと向かわせた最大の理由であろう。

しかし,この全てが「完璧主義者」深町純の性分なのだから仕方がない。個人的には和田アキラのギターにシビレ上がります。
ですが,管理人は『KEEP ALIVE』での新アレンジよりも『DG−581』と『ROCK’N ROCKED ROCK』のオリジナルのスタジオ録音の方に愛着を覚えます。
01. DEPARTURE IN THE DARK
02. MODJA
03. BATTERIA SOLO
04. DANCE OF PARANOIA OPUS 3
05. OWL FLIGHT
06. MOON BEAM
07. DANCE OF PARANOIA OPUS 2
08. ROCK'N ROCKED ROCK
(イースタンゲイル/EASTERNGALE 1995年発売/EGCJ-8002)