アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:FRUITSCAKE

フルーツケーキ / フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス4

FRUITCAKE 3 SUMMER REMINISCENCE-1 『FRUITCAKE 3 SUMMER REMINISCENCE』(以下『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』)を聴いて思うこと。
 それはフルーツケーキはなぜこうも音楽スタイルを変えるのか? 売れているのに急ぎ過ぎではなかったのか?

 『FRUITCAKE』から『FRUITCAKE 2』への音楽スタイルの変化が想像以上の激変であって,そしてガックリ来たのだったが『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』を聴いた時の衝撃は『FRUITCAKE 2』の衝撃以上!

 ズバリ『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』の真実とは“シャカタクの二番煎じ”に尽きる。
 ついにコーラス隊が入った。サックスも入った。シャッフル・ビートも入った。その結果,フルーツケーキは純粋なフュージョン・バンドではなくなってしまった。アーバンでAORな洋モノ・バンドのコンテンポラリー・サウンドが前面に出てきている。

 あぁ,かってのシンプルな美メロ一発の爽やかフュージョン・バンドとしての面影はどこへ消えてしまったのだろう。ライトでポップで耳当たりのよい「不思議の国のBGM」なイマジネーションが感じられない。
 フルーツケーキも当時のシャカタクが歩んだように,ヨーロピアンを捨てアメリカンを身にまとったように感じてしまった。そっちに行ったらライバルは五万といるというのに。勿体ないよなぁ。

 フルーツケーキフルーツケーキとしてのアイデンティティを失った『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』。その中で管理人が評価したのは【BREAKPOINT 100】【RHYTHM+SHOES】【MELLOW MOVES】の3曲のみ。
 この評価軸の中に,管理人が聴き狂ったフルーツケーキの“らしさ”は感じられない。かつてのフルーツケーキを聴きたいと思っていたファンからすると,正直さみしかった。でもそれだけではなく逆の意味でうれしさも感じたことを記憶している。

 そう。管理人にとって『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』というアルバムは「新生フルーツケーキ」の第一作である。
 フルーツケーキが新スタイルで放った射矢が管理人のハートに刺さった意味が大きかった。そもそもシャカタクが好きなんだもん。

FRUITCAKE 3 SUMMER REMINISCENCE-2 光の速さで変貌していくフルーツケーキの新しい音楽の旅を受け入れようと決意を固めた。『FRUITCAKE 4』でますますシャカタク化して,商業音楽化していく過程を楽しもうと決意を固めた。

 なのに,待てど暮らせど『FRUITCAKE 4』は発売されずじまい。
 限界の一歩手前で綺麗に身を引いたのが,フルーツケーキが今も“幻のフュージョン・バンド”であり“伝説のフュージョン・バンド”として,酒の席で語られ続ける理由なのであろう。

 フルーツケーキは『FRUITCAKE』の1枚だけ聴けば良い。そして『フルーツケーキ 3 サマー・レミニスンス』はシャカタクを一周してから聴けば良い。

  01. TRAVELLIN'
  02. KEEP IT UP
  03. BREAKPOINT 100
  04. LITTLE CHAKA
  05. PARTLY CLOUDED
  06. EVOLUTION
  07. RHYTHM+SHOES
  08. GIRLS
  09. PIT INN
  10. MELLOW MOVES
  11. DREAM ON
  12. HANDS FOR SALE

(ビクター/JVC 1986年発売/NCS-748)
(ライナーノーツ/苦楽健人,熊谷美広)

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フルーツケーキ / フルーツケーキ 24

FRUITCAKE 2-1 耳タコのように『FRUITCAKE』を聴きまくって,友達にフルーツケーキを勧めていたら「新しもの好き」が評判となり,学年中で株が高騰していた?セラビー。
 みんなに勧めていた手前,ポシャッタらおしまいという気持ちの中で『FRUITCAKE 2』(以下『フルーツケーキ 2』)がリリースされた。

 自分の中では『フルーツケーキ 2』は4曲だけだった。それこそ全曲大好きな『FRUITCAKE』からすると駄盤に思えて「ちょっとまずい」と思っていたが,友達はみんな『フルーツケーキ 2』も気に入ってくれた。
 不安から解放されて「そうだろう」的に得意気に自慢していた自分が今もって恥ずかしい。それが『フルーツケーキ 2』についての一番の思い出である。

 さて,上記の大当たりの4曲とは【CASINO JUMP】【BREAKFAST AT BENNY’S】【GAME FOR TWO】【MARIMBA】。
 この4曲の共通項。それこそ全4曲がシンセ曲。つまりはベニー・バンの世界観である。管理人にとってフルーツケーキの魅力とはベニー・バンの美メロであり,ベニー・バンキーボードである。あっ,打ち込みっぽい8ビートもかなりの好物でした。

 実はフルーツケーキ。『フルーツケーキ 2』からはバンドのメンバーが入れ替わって,レギュラー・メンバーはキーボードベニー・バンギターロブ・タエキマによるユニット体制へと変化している。
 それだけではなく『フルーツケーキ』のメイン・コンポーザーはベニー・バンであったが『フルーツケーキ 2』のメイン・コンポーザーはロブ・タエキマになっている。

 フルーツケーキのバンド内の事情は知る由もないが,当時中学生だった管理人の耳にもフルーツケーキの音楽性の変化については隠せない。
 キーボードギター以外はサポート・メンバーという立ち位置のせいなのか,カチカチとしたビートからグルーヴ感あるリズムへと変化しているように聞こえる。 スカ,ボサノヴァ,サンバを上手く取り入れた多彩なアプローチが飽きさせない。総勢7人ものサポート・ベーシストとサポート・ドラマーの参加効果ありあり〜。

FRUITCAKE 2-2 そうして何と言っても『フルーツケーキ 2』と来ればリズム・ギターの突出について語らねばならない。ストレートなギターフュージョンにはオランダではなく日本の遺伝子を重ねてしまう?

 ギターの妙なアーチキュレーションが気になってしまう『フルーツケーキ 2』。だから長らく『フルーツケーキ』からすると落ちるという印象であったが,今回『フルーツケーキ 2批評のために何回も聴き直す行為がそれはそれは楽しくて楽しくて…。

 『フルーツケーキ 2』が落ちることはなかった。『フルーツケーキ 2』は駄盤ではなかった。
 『フルーツケーキ 2』も管理人「青春の1枚」だったことを自分自身で再認識してしまいましたとさ。

  01. HEARTBEAT
  02. WASHINGTON SQUARE
  03. COOL AND GENTLE
  04. LOBSTER FUSION
  05. CASINO JUMP
  06. BREAKFAST AT BENNY'S
  07. KAYO
  08. SCREEN MUSIC
  09. YOU CAN MAKE ME
  10. GAME FOR TWO
  11. MARIMBA
  12. BEN'S BOSSA
  13. SUPER STRUTT

(ビクター/JVC 1984年発売/NCS-747)
(ライナーノーツ/苦楽健人,熊谷美広)

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フルーツケーキ / フルーツケーキ5

FRUITCAKE-1 ヨーロッパ発のフュージョン・バンドの四天王。それがシャカタクレヴェル42メゾフォルテフルーツケーキである。

 そのうちシャカタクレヴェル42は「ブリティッシュ・ファンク」と称される,上物はお洒落なロマンティック系なのに下物はビンビン・ビートがたまらない。共に歌ものが大ヒットしたのでフュージョン界の人気バンドとして現役活動中のバンドでもある。
 残るメゾフォルテフルーツケーキだが,こちらは同じヨーロッパでもメゾフォルテがアイスランドでフルーツケーキがオランダである。ヨーロッパの小国でニッチな市場を荒らしまくったフュージョン・バンドである。

 アメリカン・フュージョンに近い「ブリティッシュ・ファンク」とは一線を画す,クラシック王国,ヨーロッパ発のアドリブ偏重ではなくメロディー・ラインとアレンジを重視した「親しみやすいポップ・フュージョン」に身も心も癒される。
 未だスタイルを変えながら活動を続けるメゾフォルテとは違い,全精力を3枚のアルバムに捧げて解散したフルーツケーキだが,その3枚の魅力を絞ると,デビュー・アルバム『FRUITCAKE』(以下『フルーツケーキ』)1枚の音に集約されると思う。

 フルーツケーキの七不思議。フュージョン・バンドなのに一番“バンドっぽい”のがデビュー・アルバムであって,2枚目はユニットっぽいし,3枚目はセッションっぽい。時が進むにつれてバンドが崩壊していく印象を持つ。時代にもニーズにも逆行していく“ブラック・ホール・バンド”の1つだと思っている。

 そんな一番端正なフュージョン・サウンドがアルバム1枚,丸ごと楽しめる『フルーツケーキ』。
 1曲1曲の出来が最高に素晴らしい。全曲イントロが流れ出すと,ワクワク・ドキドキ・ウキウキ・たまに涙。お洒落で透明で癖がないので,直にメロディーが耳に,頭に,身体全体に沁み渡っていく。ベニー・バンの美メロがダイレクトに入ってくる。
 レヴェル42のように「ファンク」するのではなく,明るく軽快にステップしながら階段を登る気分? 実に爽快で快感である。

 そんなフルーツケーキの個性がちょっとしたBGMに最適であった。商用利用されまくった。80年代のある時期,管理人だけでなく全日本国民の耳に,頭に,身体全体に,TVやラジオ番組のBGMを通して浸透した。
 あのバブル景気の明るい未来の印象操作に『フルーツケーキ』が一役買っていたのだ。管理人は本気でそう思っています。ペコリ。

 だから管理人は宣言する。『フルーツケーキ』を1枚聴き通して,この中の1曲すら聞いたことのないという人は,ジャズフュージョンに限定されない「音楽モグリ」である(帰国子女は除く〜)。

FRUITCAKE-2 大ヒット・シングル【I LIKE THE WAY】で一気に持っていかれた後に流れるチャーミングすぎる【A LITTLE PLACE IN MY HEART】の後で流れる【PARTY IN BRASIL】のボコーダーシンセに押し倒された後に【WE’RE HERE TO PLEASE YOU】で百貨店かファッション・ビルにショッピングに行き【YOU’VE GOT ME GROOVIN’】でダンシング。【RIO DREAM】で一休みしておセンチ気分で聴き入った後は【WHEELIN’ AND DEALIN’】でピクニック。【SUMMER MELODY】が“無垢に”また聴かせてくる。【IN THE RIGHT DIRECTION】の波が押し寄せてくる。大波である。ラストの3曲はキャッチー・フュージョンカシオペアを意識したのが【SHORT TIME】でシャカタクを意識したのが【TRY SIX】でメゾフォルテを意識したのが【MELTING POT】。おしマイケル。あ〜,楽しかった!

  01. I LIKE THE WAY
  02. A LITTLE PLACE IN MY HEART
  03. PARTY IN BRASIL
  04. WE'RE HERE TO PLEASE YOU
  05. YOU'VE GOT ME GROOVIN'
  06. RIO DREAM
  07. WHEELIN' AND DEALIN'
  08. SUMMER MELODY
  09. IN THE RIGHT DIRECTION
  10. SHORT TIME
  11. TRY SIX
  12. MELTING POT

(ビクター/JVC 1984年発売/NCS-746)
(ライナーノーツ/苦楽健人,熊谷美広)

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