アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:TROPICAL JAZZ BIG BAND

熱帯JAZZ楽団 / XII〜THE ORIGINALS〜4

XII〜THE ORIGINALS〜-1 「熱帯JAZZ楽団」は「カヴァーを超えるオリジナル」を楽しみとする管理人。

 オリジナルベスト集『将供 腺圍硲邸。錬劭稗韮稗裡腺味咫』だが,収録曲の三分の二はコレクション済だったので買わなくても良かったのだが,ちょうどセールのタイミングでGET。新緑の【ススーディオ】も入っているし,結果としては「やっぱり買ってよかった〜」。

 改めて『将供 腺圍硲邸。錬劭稗韮稗裡腺味咫』を聴いて感じた本物感。「熱帯JAZZ楽団」は本物である。
 そんなことは分かっている。「熱帯JAZZ楽団」が偽物なんて思っちゃいない。何が言いたいかというと「熱帯JAZZ楽団」には,どうしても「パフォーマンス集団」のイメージがつきまとうということ。

 比較して申し訳ないのだが,例えば小曽根真の「ノー・ネーム・ホーセズ」も「熱帯JAZZ楽団」と同じくエンターテインメントを意識して活動している。だが小曽根真から来るアーティスティックなイメージがつきまとう。どうしてもカルロス菅野と来れば松岡直也なんだよなぁ。

 だ・か・ら『将供 腺圍硲邸。錬劭稗韮稗裡腺味咫』を聴いて「熱帯JAZZ楽団」のクオリティの高さにグッときた。正しく難曲を難曲に聴こえさせないプロ集団である。
 「熱帯JAZZ楽団」とは素晴らしいコンポーザー集団にして素晴らしいアレンジャー集団である。ネタのアイディアが無限臓なのは大所帯ゆえの特権であろう。

 『将供 腺圍硲邸。錬劭稗韮稗裡腺味咫』での新発見は,神保彰の脱退によるバンド・サウンドのブレない部分とブレる部分の両輪であった。
 いつの頃からだろう。管理人は「熱帯JAZZ楽団」に解散した「JIMSAKU」の拡大版&後継バンドをイメージしながら聴いている。だから「熱帯JAZZ楽団」の中に存在する「JIMSAKU」の遺伝子,そして森村献の遺伝子を見つける楽しさがある。

XII〜THE ORIGINALS〜-2 幸いなことに神保彰が脱退しても「熱帯JAZZ楽団」のバンドの色に大きな変化は感じられない。これぞブレないバンド・サウンド確立の成果であるだろうし,カルロス菅野にとっては非常にラッキーな結果と言える。

 管理人は神保彰が抜けても「カシオペア」本体を聴き続けてきた。本田雅人が抜けても「スクェア」本体を聴き続けてきた。
 しかし .咼奪亜Ε丱鵐匹痢熱帯JAZZ楽団」の場合 ◆JIMSAKU」の後継バンドの場合は話は別である。
 バンド・サウンドに確実に刻まれている神保彰の機微。神保彰が“いるかいないか”は小さいようで今後大問題に発展するのかもしれません。 

  01. DESCARGA TROPICAL
  02. OBATALA
  03. MI TIERRA NATAL
  04. EPOCA DE ORO
  05. SNAKEMAN'S SHUFFLE
  06. AZUL
  07. DUENO DEL SOLAR
  08. EDDIE PAL MONTE
  09. ALMOST THERE
  10. RENDEZ-VOUS
  11. NEO BOOGALOGY
  12. SUSSUDIO

(ビクター/JVC 2008年発売/VICJ-61563)

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熱帯JAZZ楽団 / XI 〜LET'S GROOVE〜4

XI 〜LET'S GROOVE〜-1 『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』とは「熱帯JAZZ楽団」ではなく「熱帯POPS楽団」のような,誰もが知っているハッピー&グルーヴィンな「ラテン・ポップス・ビッグ・バンド」集。

 「熱帯JAZZ楽団」がここまでJAZZを捨てて来るとは? 正直『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』でのサウンド・メイキングに驚いてしまった。
 「熱帯JAZZ楽団」とは“エンターテインメント!”が結成当時からのキャッチコピーであったが,個人的には『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』をもって,カルロス菅野が公言してきた「熱帯JAZZ楽団」=“エンターテインメント!”が完成を迎えたように思っている。

 大ヒット・ディスコ・チューンがビッグ・バンド編成で演奏されるとこんなにも楽しい音楽になるなんて! 一度本物のディスコ・ホールに『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』を流してみてほしい。みんながどこまで踊り狂うのかを自分の目で見て見たい願望を抱いた。

 おっと,DJが『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』を選曲すれば実現する。某有名DJの皆さん。どなたか本気で『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』を聴いて&試してみませんか?

 「熱帯JAZZ楽団」が“JAZZの看板”を降ろしてことで,かえってテクニックが際立つ構図が聴こえてくる。
 JAZZの優位性である小難しい演奏から離れた「人を惹きつける」演奏こそが“エンターテインメント!”。すなわち「観客と一体になって歓べる音楽」こそが“エンターテインメント!”。

 だから『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸』で“エンターテインメント!”が完成したと思う理由。それは【ヒップ・トゥ・ビー・スクエア】【セ・ラ・ヴィ】【愛がすべて】【フライ・ミー・ザ・ムーン】【レッツ・グルーヴ】【エレガント・ピープル】【ピック・アップ・ザ・ピーセズ】といった,キャッチーで踊れる有名POPチューンを演奏しているのが理由ではない。

XI 〜LET'S GROOVE〜-2 そうではなくて「人を惹きつける」演奏要因,それこそハイ・テクニックのバッグボーンから来る“余裕を持った演奏技術”がリスナーを魅了するのだと思う。
 ウケる曲をやること,ウケるネタをやることにどうしても目が行きがちであるが,それをやってもカッコ悪くなんないの「熱帯JAZZ楽団」の凄さなのだと思う。
 アーティスティックでストイックな方向に背を向けた,分かりやすい演奏なのに質の高い演奏の空気感。この空気感を出せるのが「熱帯JAZZ楽団」の凄さなのだと思う。

 今夜の『将機 腺味釘圈韮咫。韮劭錬錬孱邸批評は,くどくどと書きたくなどない気分…。
 音楽って理屈じゃなくて聴いて楽しければそれで十分…。ジャズにもラテンにも興味がなくてそれで十分…。「熱帯JAZZ楽団」とは“エンターテインメント!”なのだから…。

  01. HIP TO BE SQUARE
  02. SOMEBODY I KNOW
  03. C'EST LA VIE
  04. CAN'T GIVE YOU ANYTHING (BUT MY LOVE)
  05. FLY ME TO THE MOON
  06. LET'S GROOVE
  07. ENAMORADORA
  08. ELEGANT PEOPLE
  09. DESCARGA TROPICAL
  10. PICK UP THE PIECES
  11. CERVEZA

(ビクター/JVC 2007年発売/VICJ-61447)

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熱帯JAZZ楽団 / X 〜SWIG CON CLAVE〜4

X 〜SWIG CON CLAVE〜-1 『勝 腺咤廝稗裡如。達錬痢。達味腺孱邸』は,ウディ・ハーマンカウント・ベイシーグレン・ミラースイング・ジャズの定番曲に焦点を当てた正統派ビッグ・バンドとしての演奏集。

 スイング・ジャズの特長とはソロアドリブというよりアレンジ命。個性溢れる名アレンジャー陣が多数在籍する「熱帯JAZZ楽団」が,どこまで「TROPICAL」できるか?が「名盤か否か」の分かれ目であろう。

 手垢のついた【フォー・ブラザーズ】【ナイト・アンド・デイ】【茶色の小瓶】【ムーンライト・セレナーデ】の定番曲が「TROPICAL」している。予想以上にラテンジャズしていて面白いアレンジである。

 ラテンのリズムの心地良さの上にジャズらしいインプロビゼーションがスパイスされた,でもアンサンブルの醍醐味を楽しめるビッグ・バンドでないと絶対に出せない“味”がある。
 書き譜で演奏しているはずなのに「熱帯JAZZ楽団」を聞いていて受ける印象とは基本「自由」。曲の流れに合わせてメンバーが思い思いに自由にアンサンブルを重ねている印象を受けた。

 『勝 腺咤廝稗裡如。達錬痢。達味腺孱邸』として,スイング・ジャズの定番曲を1枚のアルバムとして聴かせてくれると,今までは曲単位で楽しんでいた「熱帯JAZZ楽団」のバンドとしての「まとまり」を感じるようになった。
 どんな曲調を演奏するにしても,いつでも「TROPICAL」という個性が表に出てしまうように感じる。これまで以上にアルバムに「TROPICAL」な「統一感」が出るようになった。

 だからビッグ・バンドの円熟期のタイミングで,大好きなジンサク時代の【スネークマンズ・シャッフル】を再演してくれたのが宝物!
 『WIND LOVES US』収録の【スネークマンズ・シャッフル】も,ジンサクラテンフュージョン期の大名演であり,神保彰がノリノリでアフロ・キューバンしていた大名演が素晴らしかった。

 だが『勝 腺咤廝稗裡如。達錬痢。達味腺孱邸』収録の【スネークマンズ・シャッフル】はそれ以上の大名演である。その要因こそが,先に書いた「自由」であろう。

X 〜SWIG CON CLAVE〜-2 神保彰のイメージする音をメンバー全員が共有できていない感じがする。全員が自分の思い思いの【スネークマンズ・シャッフル】を演奏している。つまりは微妙な部分が神保彰ドラミングとズレている。

 でもこれだから聴いていて面白いのだ。白にしても真っ白があれば,オフホワイトもあるし,生成りもある。それと同じで【スネークマンズ・シャッフル】の曲としての面白さも,人によっては前半であったり,サビだったり,リズムであったりするものである。

 「熱帯JAZZ楽団」の全員が全員,楽団員の頭の中に興味津々である。どこをどんなテンポでどんな音色で強調してくるのかと,他のメンバーの発する音に耳を傾けながらも,自分なりの譲れない部分を表現している。

 そんな人それぞれの感性を1つの完成形としてまとめ上げるのではなく,みんなが思う【スネークマンズ・シャッフル】の曲としての面白さを全部取り上げ,アクセントとしてバラバラに登場している。それでいて大枠としては全員ズレていないのだから何の問題もない。うん。これってジャズの面白さだよなぁ。 

  01. DINNER WITH FRIENDS
  02. ALBA BLANCA
  03. SNAKEMAN'S SHUFFLE
  04. FOUR BROTHERS
  05. NIGHT AND DAY
  06. LAMENTACION
  07. LITTLE BROWN JUG
  08. LA RUMBA PARA DEBBY 〜Waltz for Debby〜
  09. MOONLIGHT SERENADE
  10. ARRIBA! para los fantasistas
  11. NIGHT AND DAY (Inst.)

(ビクター/JVC 2006年発売/VICJ-61355)

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熱帯JAZZ楽団 / IX 〜MAS TROPICAL!〜4

IX〜MAS TROPICAL!〜-1 『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』に渡辺貞夫がゲスト参加すると聞きつけた時,もしや「熱帯JAZZ楽団」が渡辺貞夫を喰ってしまうのでは?と期待したのだが,やっぱり渡辺貞夫渡辺貞夫
 ズバリ『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』の真実とは「渡辺貞夫 WITH 熱帯JAZZ楽団」であった。

 そう。『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』で渡辺貞夫と共演していた「熱帯JAZZ楽団」の立ち位置は「ビッグ・バンドならぬバック・バンド」!
 これを渡辺貞夫の凄さと取ったあなたは「熱帯JAZZ楽団」の真のファンである。同時に“善良の塊り”渡辺貞夫の大ファンでもある。間違っても「熱帯JAZZ楽団」の演奏が,イマイチだ,と取ってはなりません。

 そもそもビッグ・バンドソロ・オーダーは短いものです。だから全編渡辺貞夫が前面に出る【オレンジ・エクスプレス】と【ベサメ・ムーチョ】がバック・バンド風に聴こえるのも当然のこと?

 それと渡辺貞夫が「熱帯JAZZ楽団」の実力を高く評価しているからこその大熱演。『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』での渡辺貞夫の演奏がいつも以上に気合いが入っている。
 “百戦錬磨”のナベサダ自身【オレンジ・エクスプレス】も【ベサメ・ムーチョ】も,久しぶりに演奏したことだろう。だから新鮮味があったのだろう。
 でもそれ以上に,こんなにも深いアンサンブルで演奏されたら,フロントとして燃えなければウソだろうし,ジャズメンとしても名乗れないであろう。

 『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』における渡辺貞夫の“突出”は,裏を返せば「熱帯JAZZ楽団」の爆演のおかげである。
 渡辺貞夫抜きの「熱帯JAZZ楽団」のオリジナルでは,いつものノリとハーモニー満載でリラックスした演奏集。かなり小難しいこともやってきている。

IX〜MAS TROPICAL!〜-2 「熱帯JAZZ楽団」の10周年記念盤『宗 腺唯腺咫。圍劭錬丕稗達腺漫〜』は,カルロス菅野にとって初めての「挑戦作」であり「冒険作」である。

 敢えて猛者たちの自我を封印し,全員がパーツの一部として意識的に演奏してきた,安定とか落ち着きといった言葉は10周年を迎えた「熱帯JAZZ楽団」には似合わなくなってしまった。

 ボーナス・トラックの【コーヒー・ルンバ】が軽やかでウキウキで大好きです。抑制された美しさと自由奔放な表現手法に大物たちの「自己表現」が表われたように感じます。 

  01. Machete
  02. Orange Express
  03. El Futuro
  04. Casa Verde
  05. Cosa Latina
  06. Besame Mucho
  07. Mambeo Mareo
  08. Quien Sera
  09. Tu Pintura
  10. Almost There
  11. Moliendo Cafe

(ビクター/JVC 2005年発売/VICJ-61277)

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熱帯JAZZ楽団 / VII 〜SPAIN〜4

VII 〜SPAIN〜-1 管理人は基本的に大編成ものは好みではない。ビッグ・バンドを日常ではほとんど聴かない。それは「熱帯JAZZ楽団」に関しても同じこと。
 ハーモニーやアンサンブルもそれ自体は好きではあるが,どうにも演奏が鈍いというか「ジャズとはアドリブ芸術」人間なので「熱帯JAZZ楽団」は,すでに所有済の『掘 腺唯戞。藤腺孱錬劭稗圍邸』と『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』の2枚があれば十分事足りるものと思っていた。

 一方,管理人には好きな楽曲についてはいろんな人のいろんな演奏を聴いてみたいという欲求がある。『察 腺咤丕腺稗痢』の購入理由は収録曲の「ビッグネーム」に負けてこちら側の気持ちが勝った結果である。

 「熱帯」と来れば的なジャズ・メッセンジャーズの【チュニジアの夜】に,フュージョンの2大代表曲であろう,チック・コリアの【スペイン】とウェザー・リポートの【バードランド】。この3曲の並びに再び物欲が湧き上がる〜。

 【チュニジアの夜】こそ,ビッグ・バンドの重厚な大熱演が似合うというのに,おとなしいニューヨーク・ヴォイセスだとは…。【スペイン】こそ,ラテンのビートが似合うというのに,鈍い管楽器のアンサンブル重視だとは…。
 でもでも【バードランド】にはハマッタ! 高橋ゲタ夫ベースがビンビンで,仮にジャコパスが「ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド」で【バードランド】を演ったら,こんな感じになったのだろうと想像させてくれる…。

 『察 腺咤丕腺稗痢』は買って良かった。ただし,購入して満足した理由は「お目当ての3曲」ではなく,それ以外の曲の出来が良かったから!
 そう。「熱帯JAZZ楽団」にとってカヴァー曲は単なる「看板」にすぎない。入り口とか間口にすぎない。

VII 〜SPAIN〜-2 【エディ・パル・モンテ】でのカルロス菅野ヴォーカルがカッコイイわ。サルサ調のムーディー・バラードの【グッドバイ・フィフス・アヴェニュー】のパーカッション・チームがカッコイイわ。【パランテ・パゴサール】はまたしても「JIMSAKU」の再来であって森村献神保彰の大仕事3。【スイングしなけりゃ意味ないね】での意表を突いたイントロがカッコイイわ。でも完全にSHIHO1人にモッテイカレテいる〜。【トロピジャム】は,きっとどこかで聞いたことがあるかのようなヘヴィロテ・ナンバーでして,こんな曲を死ぬまでに聞くことができた管理人は幸せ者です。

 「熱帯JAZZ楽団」を聴くのなら「カヴァーを超えるオリジナル」! オリジナルのクオリティの高さを聴き逃すな! 

  01. A NIGHT IN TUNISIA
  02. EDDIE PAL MONTE
  03. SPAIN
  04. BIRDLAND
  05. LA NOCHE EN EL BARRIO
  06. GOOD-BYE 5TH AVENUE
  07. PA'LANTE PA'GOZAR
  08. IT DON'T MEAN A THING (IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
  09. TROPIJAM
  10. GET OUT AND GET UNDER THE MOON

(ビクター/JVC 2003年発売/VICJ-61118)

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熱帯JAZZ楽団 / IV 〜LA RUMBA〜4

IV 〜LA RUMBA〜-1 『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』に関しては「熱帯JAZZ楽団」というよりも「JIMSAKU」への思い出が強くなったアルバムとして今でも印象に残っている。
 というのも“掴み”の2曲【ドゥエニョ・デル・ソラール】と【ディア・ミスター・ジョーンズ】が強力すぎて,買うまでは一番楽しみにしていた3曲目,ジャコパスの【インビテーション】が霞んだくらい。

 そう。【ドゥエニョ・デル・ソラール】と【ディア・ミスター・ジョーンズ】は森村献の仕業である。
 正直【ドゥエニョ・デル・ソラール】と【ディア・ミスター・ジョーンズ】の2曲を聴いて,櫻井哲夫神保彰がなぜに森村献を重宝してきたかが初めて分かった。「JIMSAKU」解散後だというのにねぇ…。

 だから『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』以降,しばらくは「熱帯JAZZ楽団」を聴かなくなった。管理人のルーティーンはラテンを聴きたくなったなら森村献入りの「JIMSAKU」を聴く〜。
 その流れで「JIMSAKU」の神保彰ドラミングに注意がいって神保彰の凄さを改めて再認識〜。

 「JIMSAKU」時代の神保彰ドラミングって,音楽性重視のポジショニングに徹していて,テクニカルなこともいろいろと試していたとは思うが,小難しさなど全く感じさせないし,ラテンなのに常に正確無比な神保彰の“らしさ”が前面に出ていたと思う。
 対して「熱帯JAZZ楽団」での神保彰ドラミングは,もっと大らかであって,前面に出るのはドラム・ソロの時間位で,基本は後ろで全てをまとめ上げるドラミング
 
 ベース高橋ゲタ夫パーカッションカルロス菅野美座良彦コスマス・カピッツァの自由で個性的なビートが“ぶつかり合うことなく”聴こえるのも,ひとえに神保彰の無類のリズム感と構築力があればこそ!
 「熱帯JAZZ楽団」の命であるリズム隊が,コンファタブルであって,互いのビート感がぶつからない以上に,素晴らしくアンサンブルしてしまうのも,ひとえに神保彰の無類のリズム感と構築力があればこそ!

 特にテクニカル系のラテンフュージョン・ナンバー=【ロックス】と【イレブン】での神保彰ドラミングは,他のドラマーでは絶対にこうはならない,という完成度の高いダンサブル・ビート!

IV 〜LA RUMBA〜-2 神保彰って,世界一のフュージョンドラマーとしてではなく,もしや世界一のラテン・ドラマーとしても通用するのか? だから「JIMSAKU」だったのか? そんな神保彰が信頼するのが森村献だったのか?

 そんな「熱帯JAZZ楽団」と「JIMSAKU」の細かな音楽性を教えてくれたのが『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』なのです。
 『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』は「あ,こういうことなんだ」って「目から鱗」がどんどん落ちる。そしてそれがどんどん楽しくなってくるタイプの音楽なのです。

 『検 腺味繊。劭妝唯贈繊』では,森村献の【ドゥエニョ・デル・ソラール】と【ディア・ミスター・ジョーンズ】の連投に絶対に「モッテイカレル」経験ができるはず。【ネオ・ブガロジー】はシークレット・トラックなのか? 8分17秒からが「熱帯JAZZ楽団」の“エンターテインメント!”。

  01. Dueno del solar
  02. Dear Mr. Jones : Ironside〜Soul Bossanova〜Ai No Corrida
  03. Invitation
  04. Splash!
  05. Eleven
  06. Begin the beguine
  07. Lupin the third
  08. Reunan todos
  09. Neo boogalogy

(ビクター/JVC 2000年発売/VICJ-60642)

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熱帯JAZZ楽団 / III 〜MY FAVORITE〜4

III 〜MY FAVORITE〜-1 「熱帯JAZZ楽団」(「TROPICAL JAZZ BIG BAND」)。それは「熱帯」を名乗っているがラテンではない。「JAZZ」を名乗っているがジャズではない。「楽団」を名乗っているがビッグ・バンドはない。

 管理人は「熱帯JAZZ楽団」=ラテン・ジャズ・ビッグ・バンドで当たりだと思っていたが,どうやら公式にはそうではない。
 リーダーであるカルロス菅野が説明する「熱帯JAZZ楽団」のコンセプトとは“エンターテインメント”!

 管理人の初めての「熱帯JAZZ楽団」である『掘 腺唯戞。藤腺孱錬劭稗圍邸』を聴いて“エンターテインメント!”という説明が腑に落ちた。
 ジャズあり。フュージョンあり。映画音楽あり。ラテンあり。ポップスあり。ソウルあり。そしてオリジナルもある。

 そう。「熱帯JAZZ楽団」の音楽性とはボーダレス。すなわち“エンターテインメント!”。「楽しくなければテレビじゃない。楽しくなければ『熱帯JAZZ楽団』じゃない」なのだ。TVは没落してしまったが「熱帯JAZZ楽団」は永遠に“エンターテインメント!”。

 フランクな設定のビッグ・バンドにしてビッグ・バンド・メンバーは全員カルロス菅野の友人と来ている。問題が起こるとすれば,メンバー全員が超多忙ゆえにビッグ・バンドとして活動するためのスケジュール調整だけであろう。
 その点も考慮してなのか,塩谷哲に限らずカルロス菅野の出戻りOKのスタンスには「先見の明」があったと思う。

 ただし,そんな緩い条件ゆえに,メンバーが入れ替わっても毎度変わらず「熱帯JAZZ楽団」の音!ブレのない統一感!が鳴るためのアレンジの苦心には称賛の言葉を惜しんではならない。
 「熱帯JAZZ楽団」のバンド・メンバーは全員が日本を代表するファースト・コール・ミュージシャンばかり。その気になれば「超テクニカルな」ラテン・ジャズ・ビッグ・バンドも演れてしまうが,カルロス菅野は敢えてマニアックな方向には敢えて,大衆から愛される「熱帯JAZZ楽団」を目指したように思っている。

III 〜MY FAVORITE〜-2 管理人にはその理由が(イメージとしては余り結び付きにくいが)「オルケスタ・デ・ラ・ルス」での活動が影響しているように感じている。
 サルサ・バンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」での成功の軌跡が,今度はラテン・ジャズ・ビッグ・バンドを広めたいと願う際の方法論として生かされている。

 サルサ・バンド以上にインストのラテン・ジャズ・ビッグ・バンドって“とっつきにくい”ものだと思う。
 だ・か・ら・インストの間口を広めるための有名曲のカヴァーなのだ! ジャズあり。フュージョンあり。映画音楽あり。ラテンあり。ポップスあり。ソウルあり。そして最後の最後にアルバムに数曲入れているオリジナル勝負なのだ〜!

 『掘 腺唯戞。藤腺孱錬劭稗圍邸』では,硬派JAZZYな【マイ・フェバリット・シングス】と軟派JAZZYな【シング・シング・シング】。ディスコな【ガット・トゥ・ビー・リアル】と「オールナイト・ニッポン」のテーマ曲【ビター・スイート・ボンバ】。クインシー・ジョーンズとは「似て非なる」【アイ・キャント・ストップ・ラビング・ユー】が「熱帯JAZZ楽団」の“エンターテインメント!”。

  01. EPOCA DE ORO
  02. MY FAVORITE THINGS
  03. GOT TO BE REAL
  04. SING, SING, SING
  05. POR QUE NO?
  06. ROCKS
  07. BITTER SWEET BOMBA (BITTER SWEET SAMBA)
  08. RUINAS
  09. CHERRY PINK AND APPLE BLOSSOM WHITE
  10. I CAN'T STOP LOVING YOU
  11. PRENDE EL FUEGO

(ビクター/JVC 1999年発売/VICJ-60389)

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