アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:ゲイリー・バーツ

ゲイリー・バートン&フレンズ / リユニオン5

REUNION-1 『REUNION』(以下『リユニオン』)は100%パット・メセニーのためのアルバムである。
 でもこれってパット・メセニーの意志ではない。全ては“大将”ゲイリー・バートンが仕組んだ「フィーチャリングパット・メセニー」な名企画。
 ズバリ『リユニオン』の真実とは,ゲイリー・バートンパット・メセニーを“神輿に担いだ”アルバムなのである。

 ゲイリー・バートンが『リユニオン』で「フィーチャリングパット・メセニー」を制作できた理由は,ゲイリー・バートン・グループから独立した後もパット・メセニーのことを気にかけチェックしていたからに他ならない。
 …というよりもパット・メセニーの音楽を,いつしかファンの立場で追いかけてきたからに他ならない。

 元来が「ジャズ・ロック」出身のゲイリー・バートンである。『STILL LIFE(TALKING)』『LETTER FROM HOME』『THE ROAD TO YOU − RECORDED LIVE IN EUROPE』で“天下を獲った”パット・メセニーのPOPな音楽性に魅了されて「オファー・レター」に至ったように想像する。

 かつては共同で音楽を創造してきたゲイリー・バートンパット・メセニーであるが,今となっては2人の立ち位置に相当な開きが生じている。この結果は両者の音楽性の違いでもなければ,パット・メセニーの音楽の嗜好の変化が原因でもない。
 単純に方法論の違いによるものである。同じ対象物に違うベクトルでアプローチをかけている。ヴィブラフォンギターという楽器特性の違いもあることだろう。

 ただし,そんなことは重要ではない。違っているのが当然のこと。根幹にある共通イメージを擦り合わせる作業を通して,1人では到達することはできなくても2人でなら到達できる新たな音風景を見つけたい。そんな意欲が創造力を駆り立てている。実に素晴らしいパートナーシップ。実に素晴らしい師弟関係。

 『リユニオン』の「新しいのに懐かしい響き」は,あのままパット・メセニーゲイリー・バートンと活動を共にしていたのでは完成することはなかった。一旦,離れて「やっぱり好き」を再確認できたからこそ,最愛の音を奏でる歓びが爆発したのだろう。ユニゾン,ハーモニー,チェイス,どれもが良い響きで惚れ惚れする。

REUNION-2 『リユニオン』でゲイリー・バートンが選んだ「フレンズ」とは,ピアノキーボードミッチェル・フォアマンベースウィル・リードラムピーター・アースキンの面々。
 いずれもパット・メセニー・ファンなら聴いてみたいGRPだから実現できた組み合わせ。もはや公私混同レベルで“最良のパット・メセニー”をゲイリー・バートンが引き出している。

 パット・メセニーとしてもゲイリー・バートンの隣りで演奏するのが大好きなのだろう。ゲイリー・バートンとぶつからない和音を探し出すのが楽しくてたまらない感じのギターであって,パット・メセニーが「若手」に戻ったイメージがある。事実,楽曲のサビの部分で「前へ前へ」と突進してくる。美味しい部分は全てパット・メセニーが持って行っている。実に楽し気で雄弁なギターが鳴っている。

 ゲイリー・バートンパット・メセニーは「歌の恋人」。お口の恋人はロッテである。

  01. Autumn
  02. Reunion
  03. Origin
  04. Will You Say You Will
  05. House On The Hill
  06. Panama
  07. Chairs And Children
  08. Wasn't Always Easy
  09. The Chief
  10. Tiempos Felice (Happy Times)
  11. Quick And Running

(GRP/GRP 1990年発売/UCCR-9009)
(ライナーノーツ/ニール・テッサー,前田圭一,成田正,悠雅彦)

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ゲイリー・バーツ〜ソニー・フォーチュン / アルト・メモリーズ4

ALTO MEMORIES-1 ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンである。この2人の名前の並びを見ると,ゲイリー・バーツ個人でもソニー・フォーチュン個人でもなく,一気に電化マイルス・モードへトリップしてしまう。

 それぐらいにマイルス・デイビスの信者にとってはパワーのある名前である。ゲイリー・バーツソニー・フォーチュン在籍時のマイルスのバンドこそが“帝王”マイルス・デイビスのキャリアの頂点と重なっている。

 そう。キース・ジャレット在籍時のゲイリー・バーツと『アガパン』でのソニー・フォーチュン。そんな2人の共演盤が発売されると聞けばマイルスのファンなら買わずにはいられないというもの。

 ただし『ALTO MEMORIES』(以下『アルト・メモリーズ』)は,非・電化マイルスジャズスタンダード集である。
 ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンが『アルト・メモリーズ』でトリビュートしたのは,マイルス・デイビスではなくアルトサックスの巨匠たちである。

 チャーリー・パーカーオリヴァー・ネルソンキャノンボール・アダレイジジ・クライスジャッキー・マクリーンオーネット・コールマンベニー・カータージョニー・ホッジズの名曲を,はみ出すことなく渋目の演奏でまとめ上げたアルバムである。

 それにしてもたまたまなのかどうなのか? 「これぞ,ツインアルト」と思わせるような演奏が1曲もない。ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンが同時に音を鳴らす場面が極端に少ない。アルト2本のバトルがほんとんどないのが個人的に不満である。

 ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンが入れ替わりの交代形式でアルトソロを受け渡している。そこに2人の個性の違いを聴き分けることができるのは楽しいのだが,ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンってこんなにも似ていたっけ?

 ズバリ『アルト・メモリーズ』は「これぞ,ツインアルト」というよりも「これぞ,ツインテナー」の音であり,2人ともジョン・コルトレーンっぽいし,ケニー・ジャレットっぽくもあるし…。

 ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンソロ・アルバムは1枚も聴いたことがないせいなのだろうし,逆にマイルス・デイビスジョン・コルトレーンケニー・ジャレットの演奏を今でも聴き続けているせいなのだろうし…。

 『アルト・メモリーズ』のハイライトは【LONLY WOMAN】である。この1曲でそれまでの穏やかな雰囲気をガラリと変えるオーネット・コールマンの破壊力。
 本当はなれるものならジョン・コルトレーンではなくオーネット・コールマンを真似したかったのでは? ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンの2人の手に届いたのがジョン・コルトレーンだったというだけで,制覇してきたチャーリー・パーカーオリヴァー・ネルソンキャノンボール・アダレイジジ・クライスジャッキー・マクリーンベニー・カータージョニー・ホッジズの発表会!?

ALTO MEMORIES-2 管理人の結論。『アルト・メモリーズ批評

 『アルト・メモリーズ』のリーダーはゲイリー・バーツでありソニー・フォーチュンはゲストである。
 『アルト・メモリーズ』のリーダーはソニー・フォーチュンでありゲイリー・バーツはゲストである。 

 『アルト・メモリーズ』のリーダーは常に2人ではなくどちらか1人。共同名義でケニー・バロンピアノを,バスター・ウィリアムスベースを,ジャック・デジョネットドラムをレンタルして乗り回している感じ。

 そう。『アルト・メモリーズ』とはゲイリー・バーツカルテットソニー・フォーチュンカルテットの「対バン」盤。
 似た者同士のアルトなのにテナーっぽい,ゲイリー・バーツソニー・フォーチュンの合同事務所においでやす。

  01. STOLEN MOMENTS
  02. U.F.O.
  03. JEANNINE
  04. MINORITY
  05. BILLIE'S BOUNCE
  06. EMBRACEABLE YOU
  07. CAPUCHIN SWING
  08. LONELY WOMAN
  09. WHEN LIGHTS ARE LOW
  10. WARM VALLEY

(ヴァーヴ/VERVE 1994年発売/POCJ-1212)
(ライナーノーツ/ロブ・クロッカー)

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