FACE TO FACE-1 1970〜1980年代のこと,TVCMをJ−フュージョンが席巻した時期があった。
 資生堂の渡辺貞夫やサントリーの伊東たけしはスターになった。しかし,数あるCM群の中でも語られるべきはJTであろう。
 マイルドセブン系のPRISM角松敏生,ピース系の天野清継中川昌三,そしてキャビン系のMALTAである。
 MALTAの時代は長く【SCRAMBLE AVENUE】【HIGH PRESSURE】【ZOOM】が流されていた。

 管理人は特にMALTAのCMが大好きだった。MALTAのTVCMはBVDとかでも流れていたが,松本恵二や星野一義というレーシング・ドライバーと組んだもので,同時期のF−1の大ヒット・テーマであるザ・スクェアの【TRUTH】と張り合っていた。

 そんな“カッコイイ”MALTAのCMが終わった。タイガー大越に変わった。…でっ,タイガー大越って誰?

 タイガー大越のことはCMで初めて知った。そしてCM曲【FACE TO FACE】が気に入った。あのMALTAの後釜なのだからカッコ良くて当然なのだ。
 待望久しいJ−フュージョンの人気トランぺッターの誕生であった。

 …でっ,2。【FACE TO FACE】収録のアルバム『FACE TO FACE』(以下『フェイス・トゥ・フェイス』)を購入した。

 タイガー大越トランぺットの個性とはセクシー将軍の響きであろう。金管特有のいやらしさでなく木管のそれである。タイガー大越もその点を自覚しているのか,トランぺットシンセサイザーを組み合わせた楽曲が多い。個人的には【WHO CAN I TURN TO】が白眉である。

 ただし『フェイス・トゥ・フェイス』は,清水興ベース東原力哉ドラムというナニワ・エキスプレス勢が引っ張っているアルバムである。
 MALTAのところにも元ナニワ・エキスプレス岩見和彦がいるが,そこはあくまで「MALTAMALTA」。タイガー大越はまだその域までは届いていない。

FACE TO FACE-2 ズバリ『フェイス・トゥ・フェイス』は,トランぺットではなくベースドラムを聴くべきアルバムである。タイガー大越がテクニカルなトランぺットで脇を固めて,クリエイティブなリズム隊がドーンと“歌っている”。

 そういうことでナニワ・エキスプレスに引っ張られた“バブル人気”のタイガー大越のTVCMは【FACE TO FACE】の1曲で終わった。
 ただし【FACE TO FACE】の大インパクトは,バブル末期の“打ち上げ花火”だ〜。

PS 【FACE TO FACE】という楽曲名はMALTAにもありますし,何ならMALTAの【FACE TO FACE】の方が有名なのでは? MALTAタイガー大越はなぞの共通点多すぎです。

 
01. FACE TO FACE
02. ONE NOTE SAMBA
03. SUMMERTIME
04. A MAN WITH 20 FACES
05. WHEN THE MOON GOES DEEP
06. DON'T TELL ME NOW
07. SENTIMENTAL JOURNEY
08. WHO CAN I TURN TO
09. BUBBLE DANCE
10. EYES
11. FISHERMAN'S SONG
12. OVER THE RAINBOW

 
TIGER OKOSHI : Trumpet, Voices
GERRY ETKINS : All Keyboards, Synthesizer Programings, Acoustic Piano
TAKAYUKI HIJIKATA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KOH SHIMIZU : Electric Bass, Synthesizer Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums

(ビクター/JVC 1989年発売/VDJ-1198)

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