
しかしフュージョン・ファンであるならば,間違いなく“T−スクェア&『TRUTH』”であろう。あのテーマ・ソングは,紛れもなくJ−フュージョン最大のヒット曲である。
さて,当時のことを思い返すと,複雑な心境にあったことを思い出す。ずっと応援してきたバンドが,やっと売れて良かった,と思う反面,周囲がこぞってT−スクェア(『TRUTH』当時はザ・スクェア)を称賛している。まるで手のひらを返したかのように…。
「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。そう叫びたかった! インディーズ時代からメジャーになるまで,あるバンドを追いかけた経験がある人なら共感いただけることと思う。
そして今,管理人はまたもこう叫びたい! 「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。
そう。T−スクェアは一発屋などではない。『TRUTH』以前も,ずっとJ−フュージョンの人気バンドだったし『TRUTH』以後も,ずっとJ−フュージョンの人気バンドなのだ。
そこで『GROOVE GLOBE』(以下『グルーヴ・グローブ』)! 『グルーヴ・グローブ』には正直,管理人も驚かされた。
デビュー当時からT−スクェア(ザ・スクェア)にはポップな印象を持っている。キャッチーなメロディーが良質な演奏で楽しめる。そんなイメージを持っている。
しかし『グルーヴ・グローブ』では,以前のスクェア“らしさ”が消えている。最初に違和感を感じたのである。
『グルーヴ・グローブ』で感じた,違和感の理由の1つはバンド形態ではなくユニット期の最終アルバム,それも“半分バンド:半分ユニット”状態のT−スクェアにある。
よくよく聴き返してみる。安藤まさひろの地蔵ギター,復帰した伊東たけしのくすんだサックスの味は以前と何も変わっていない。
そこへドラムの則竹裕之という元メンバーが参加している。「伝説の5人」の「5分の3」が揃ったザ・スクェアの安定がある。
そしてそこへサポート・メンバーの立場にして,すでに楽曲を提供した「準メンバー」の河野啓三と『グルーヴ・グローブ』から参加した森岡克司の新しいスタイルのベースが“半分バンド:半分ユニット”状態のT−スクェアに変化をもたらしている。
でもそれだけではない。バンドかユニットか,ではなく,曲調が違うのだ。この手のサウンドは『TRUTH』の以前にも以後にもなかった。
もしかしたら今後,T−スクェアは『TRUTH』の以前以後ではなく『グルーヴ・グローブ』の以前以後で語られるようになるのかもしれない。

伊東たけしの退団前,本田期,宮崎期,伊東たけしの復帰後の4パターン。本当はユニット期があるし,田中豊雪,和泉宏隆,松本圭史,河野啓三,坂東慧といった個性派の面々在籍時で話されることもある。
その意味で『グルーヴ・グローブ』は森岡克司について語られるべきアルバムである。『グルーヴ・グローブ』で感じた変化の本質は安藤まさひろの“新たなチャレンジ”であろう。バンドとして森岡克司の超絶すぎるベース・プレイを売り出したいのではなかろうか?
確かに森岡克司は斬新なベーシストであって,安藤まさひろが目を付けた気持ちも良く分かる。
しかし,森岡克司のカラーが今までのスクェア・サウンドにマッチするかどうかは,かなり疑問である。管理人には今後のスクェアの存続をも左右する“大博打”に思えてならない。
『グルーヴ・グローブ』で舵を切った「フィーチャリング・森岡克司」のハンドルを次回作でも継続するのか? それとも以前の曲調に戻すのか?
『グルーヴ・グローブ』は“現在の”T−スクェアを知る上での問題作。個人的にはまだ耳が慣れずに好きではない。
01. DREAM WEAVER
02. I'M IN YOU
03. FUTURE MAZE
04. JUNGLE FEVER
05. PEACEMAKER
06. CAPE VERDE
07. MOON
08. DON'T TELL ME A TRUTH
09. MIRACLE CITY
10. IN A SWEET TRAP
T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic Guitar, Electric Guitar
TAKESHI ITOH : Alto Saxophone, Soprano Saxophone, EWI, Flute
Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass
Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion
(ヴィレッジ/VILLAGE 2004年発売/VRCL-10002)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】「ホログラム・シート」封入
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】「ホログラム・シート」封入
出エジプト記31章 神の指によって2枚の石板が書かれる
ホレス・シルヴァー 『フィンガー・ポッピン』
コメント一覧 (14)
コメントありがとうございます。
これからどうぞよろしくお願いします!
T−スクェア は中学時代の先輩のさらに先輩の高校生バンドがカシオペアとかと一緒にやっていたのを聴いてお兄さんたちのテクニックに感動したことを思い出しました。
僕の高校時代の同級生も学校祭でTRUTH他チャレンジしていましたがそっちは散々でした・・・
T−スクエアはホントにF1だけのバンドではないですよね! TVのCMに使われてる以外にも沢山の名曲があります。個人的には「ドリーム・ウィーバー」「アイム・イン・ユー」「ピース・メーカー」等やはり安藤メロディーに心惹かれました・・「フューチャー・メイズ」はこのアルバムのハイライトであり異色作でもあると思います。基本的に安藤フリークの私としてはスクエア全てOKなんですけど(^o^)
読者登録ありがとうございました♪
やり方を知らずに登録して頂いた事を築かずにいました(^^;
今後とも宜しくお願いしますm(__)m
これほんとの話です。
今まで気付かず、返信遅れて申し訳ございません。
宜しくお願い致します!
読者申請させて頂きますので、承認宜しくお願い致します!
私のブログに訪問いただきありがとうございます
こちらには初コメントになります。
「TRUTE」を始めスクェアの曲は吹奏楽でもよく演奏しました。よく知られているのでお客さんのウケもよかったです。
「TRUTE」も演奏しましたが、演奏した事のある曲の中では「黄昏で見えない」が一番印象に残っています。
でも、彼らにとってはそのときの感覚を大事にすると必然的にそうなってしまうんだと思います。
偉そうなこと言ってますけれど本当は何も分かってないオヤジの知ったかぶりで、すみません。
よき先輩たちや同級生をお持ちですね。whiteさん自身は,演奏しなかったんですか?
私も同じ安藤フリークとして,スクエアは基本的に全てOKなんですよ。
でもいつもの“らしさ”がなくなった『GROOVE GLOBE』には辛口にならざるを得ません。
そこでmususuさんにも,スクェア批評をリクエストです! 楽しみにさせてもらっていいですか?
うちにある『GROOVE GLOBE』のホログラムは,こころ2005さんの作かもしれませんね! ほんとビックリでうれしいです!
JAZZ/FUSIONの名盤をお探しの際には,また当ブログにお立ち寄りくださいね。
吹奏楽で「黄昏で見えない」とは素晴らしい選曲です。出だしの管楽器がさぞ気持ちよかったでしょうね。センスを感じました。
オヤジの知ったかぶりは私の方です。こちらこそ,すみません。
確かにスクェアの新たなチャレンジは,彼らなりの感覚を大事にした必然的結果ですよね。私にも現スクェアを受け入れる決心が固まってきました。