『MUSIC FROM MO’ BETTER BLUES』の7曲目は【BENEATH THE UNDERDOG】(以下【ビニース・ザ・アンダードッグ】)。


 【ビニース・ザ・アンダードッグ】で,ブランフォード・マルサリスは,定番のテナー・サックスに加えてソプラノ・サックスも吹いているが,黙って2分6秒から3分24秒までのソプラノソロを聴いてほしい。特に入りの数秒間の“うなり声”が大好きだ。

 ここでのアドリブは,以前の“頭デッカチ”の時代と比べて,かみ砕かれた実に分かりやすい解釈だ。ゆったりと流れつつも緊張感あるアドリブ。これがブランフォード・マルサリス流の“新たなるジャズ”へのアプローチであろう。

 また3分43秒から始まるケニー・カークランドピアノソロが楽しい。見事な快演である。
 テレンス・ブランチャードトランペットもイントロから高度なフレーズ満載で,さすがは将来を嘱望されるだけのことはある。テレンス・ブランチャードの実力がいかんなく発揮されている。

BRANFORD MARSARIS : Tenor Saxophone, Soprano Saxophone
KENNY KIRKLAND : Piano
ROBERT HURST : Bass
JEFF 'TAIN' WATTS : Drums
TERENCE BLANCHARD : Trumpet