『BALLADS』の2曲目は【YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS】(以下【ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ】)。

 【ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ】(邦題【恋の味をご存知ないのね】)でのジョン・コルトレーンの演奏が最高である。
 甘いメロディーをいかにも甘くプレイするのではなく,ノンビブラートでストレートに吹いている。バラードには不釣り合いな“ドライ”な情感とでも呼んでおこう。
 これこそが管理人の推す「コルトレーン・バラード」の本質である。

 1分20秒からの曲想に注目してほしい。甘いテーマからエモーショナル・ビートへと変化するが,ジョン・コルトレーンは決して強くは吹かずに,ささやくように,哀しげにテナー・サックスを吹いている。
 それゆえジョン・コルトレーンの情感の変化が,ほんの少しの音量,ほんの少しのスピードの変化に如実に顕われているようであり,コルトレーン・ファンとしては“たまらない”。
 時たま鳴り響く“かすれた歌声”が,これまた“たまらない”のである。
 
 
JOHN COLTRANE : Tenor Saxophone
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums

BALLADS-1
Ballads
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ビル・エヴァンス 『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961