

言い換えるなら,偽札を見分ける最良の訓練は“本物に対する感覚”を磨くこと。その感覚を掴みさえすれば,偽札を受け取ったとしても,それがまがいものであることを瞬時に判断できるのだろう。
さて,この記述は“本物の”ジャズを聴き分けることにも当てはまる。繰り返し本物を聴くことが,ジャズの本質を掴む一番の近道なのである。では繰り返し聴くべき“教材”とも呼べるCDとは何だろう?
マイルス・デイビスの諸作! とりわけ『’ROUND ABOUT MIDNIGHT』(以下『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』)! 管理人は自信を持ってそう答える。
その理由は簡単だが,まだ正式にプレス・リリースされていないので,今は答えることができない。今後の「スーパートリビア」シリーズのランキングに注目してほしい。ただ,ここで一つ断言できることは,この意見は管理人の独断と偏見ではない,と言うことである。
ところで,マイルス・デイビスについて語るのは,正直余り得意ではない。マイルス・デイビスについての著作を余りにも多く読んだせいなのかもしれないが,自分の言葉で表現しづらいからである。
“ジャズの帝王”“泣きのミュート”“偉大なバンド・リーダー”“ジャズの歴史の生き証人”などなど,全てまさしくその通り! もはや管理人オリジナルの称号など考えつきませぬ。
『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』は,そんな“桁外れ”のマイルス・デイビスの代表作&全てのジャズ批評家が認めた名盤中の名盤! このCDに関しては,他の著名な評論を読み比べながら聴き込まれることを,ここに勝手に許可します!
読者の皆さんが,今後,まがいもののジャズを掴まされることのないことを祈りながら…。
(1955,1956年録音/CSCS5138)

コメント
コメント一覧 (4)
オリジナルの称号はどんなコピーライターでも無理でしょう・・わざとらしくなってしまうので(笑)ただ・・91〜92年頃の再発CDの広告コピーで「その帝王の存在を許したことは20世紀に誇りである・・」なるフレーズ、ちょっとベタですが好きでした(^o^)
そうなんです。タイトル・トラック以外ももっと評価されるべきですよね。そういう思いがあって「トラック批評」を始めました。一気にアルバム全曲は無理ですが,ぼちぼちと取り上げていく予定です。また感想寄せてくださいね。
オリジナルの称号はやはり無理ですよね? mususuさんに同意してもらえて,大変うれしく思います。
私事ですがいよいよMiles Davisに手を出し始めました。とは言えど、昨年から、ちょくちょく買い集めていました。下記の4枚です。
【In a Silent Way】【Bitches Brew】【Live=Evil】【TUTU】。
お察しの通り、キワモノばかりでした。1番良かったのは【In a Silent Way】だったのですが、後の何枚かは別世界の物でした 笑
なので「ちゃんとしたMilesを買おう!」と言うことでこのアルバムになりました。
管理人さんが“教材”としてオススメした理由が、聴いている途中にビビっと脳内を駆け巡りました。
1つの理由として、色々なJazzの演奏形態がこのアルバムに記録されている部分と私は捉えました。
シットリとした曲もあれば、急いだような忙しない曲も。
中にはテナーサックスとトランペットが同時に違うメロディーを弾くような曲もあり「こういうのもアリだなぁ」なんて・・・『Ah-Leu-Cha』です。
そして静かな局面と煌びやかにキメる局面の両方を持ち合わせている曲・・・『'Round About Midnight』です。
自分は【'Round About Midnight +4】の方を買ったのでボーナストラックも存分に楽しみました。
全部聴き通しましたが詳細なコメントを残すのは至難の技です。まだ勉強段階でございます。
ですが自分の中で今1番キテいるのは『Ah-Leu-Cha』です!
祝Miles Davisですね。私もマイルスは大大好きでして結構聴いています。
【In a Silent Way】【Bitches Brew】【Live=Evil】【TUTU】。これはいい買い物だったことと思いますよ。
今はキワモノとお思いでしょうが,後日絶対にハマルはずです。私がマイルスで一番だと思うのは【In a Silent Way】です。この意見はマイルス通ではそこそこ評価されています。ザビヌルの色が絶妙なバランスで出ていますよねっ。
さて「ちゃんとしたMilesを買おう!」と言うことでしたら『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』で間違いありません。モダン・ジャズ名盤中の名盤の1枚です。
サイドメンもいいですし,マイルスのミュートがいかしています。カッコイイです。
【Ah-Leu-Cha】も名演です。
さてさてチック・コリア在籍時のマイルスと来れば『1969マイルス』『ブラック・ビューティ』の2枚ですね。チックの真の凄さを私はこの2枚で体験しました。是非ドム男さんも。