
2005年の流行語として「ちょいモテオヤジ」が選ばれた。「ちょいモテ」って,本当に流行っているのか? 「ちょい不良(ワル)」のような気がするが…。
「ちょいモテ」「ちょい不良(ワル)」の真偽は置いといて,管理人が「ちょいモテ」と聞いて連想する人物は,パンツェッタ・ジローラモではなく,通称“デックス”のデクスター・ゴードン! そう。テナー・サックスの巨人である。
パリ在住時代のバド・パウエルをモチーフとしたジャズ映画=「ラウンド・ミッドナイト」の主演俳優でもあるデクスター・ゴードンの風貌こそ,管理人がイメージする「ちょいモテ」!
“ロング・トール・デクスター”の愛称で呼ばれた,身長198cmの大柄で帽子とトレンチ・コートがよく似合う風貌は,例えるなら阿部寛? 阿部つながりでJ−リーグ・ジェフの阿部勇樹? あっ,このW阿部は「激モテ」。デクスター・ゴードンはW阿部より劣るから「ちょいモテ」。やっぱり「ちょいモテ」!?
さて“ロング・トール・デクスター”から,デクスター・ゴードン「ちょいモテ」論を導いてみたが,デクスター・ゴードンを“見かけ倒しのテナー・マン”とは侮るなかれ!
デックスが「ちょいモテ」の真意は,彼の“モテモテな”テナー・サックスにある!
デクスター・ゴードンのテナー・サックスには“限りないリラクゼーション”と“猛烈なドライブ感”が奇跡的に共存している。その要因は,やっぱりあの“後乗り”にあるだろう。
あの強引に“後ろへ後ろへ”後ずさりさせた地点で半強制的に聞かされる,独特のトーンと歌心あふれるフレーズ! 泰然自若,朗々と鳴り響く「ちょいモテ」テナーの登場に気持ち良くなる管理人はM?
『DEXTER CALLING...』(以下『デクスター・コーリング』)を聴いてみてほしい。『デクスター・コーリング』にこそ,デクスター・ゴードンの「ちょいモテ」テナーぶりが色濃く記録されている。
要は尻軽,軽薄とは別種のパンツェッタ・ジローラモ級の「軽さ」である。そう。気軽に誰とでも付き合い始める敷居の低さ。しかし本命を一途に思い続ける真の強さで一線以上は崩れない。これを一言「大人の軽さ」と表現すれば,伝わる人には伝わると思いますが…。

例の“猛烈な後乗り”が,聴いている方がハラハラするほどたどたどしく,ふてぶてしく,息を呑むほど美しい! この絶妙なブレンドこそがデクスター・ゴードン独特の味わい。ブレンド“デックス”コーヒーを召し上がれ!?
そんなこんなで管理人は「レオン」ではなく『デクスター・コーリング』で男を磨いている。「ちょいモテオヤジ」に必要な要素は『デクスター・コーリング』に詰まっている。
そう。『デクスター・コーリング』こそ「ちょいモテオヤジ」のバイブルである。
01. SOUL SISTER
02. MODAL MOOD
03. I WANT MORE
04. THE END OF A LOVE AFFAIR
05. CLEAR THE DEX
06. ERNIE'S TUNE
07. SMILE
(ブルーノート/BLUE NOTE 1961年発売/TOCJ-6634)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,小川隆夫)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,小川隆夫)
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