『ERIC DOLPHY AT THE FIVE SPOT,VOL.1』の3曲目は【THE PROPHET】(以下【ザ・プロフェット】)。
【ザ・プロフェット】は,テーマの異様さにアドリブの連発が加わって,初めてジャズに接する人にはお奨めできない。難解さゆえ,拒絶反応を示すかも知れない。
しかしひとたびジャズの魅力に“取り憑かれた”人たちには,心おきなく推薦できる。そんな“マニア向け”のトラックである。
【ザ・プロフェット】の聴き所は,文句なしにエリック・ドルフィーのアドリブである。ここでのアルト・ソロは約7分間のロングトーン。じっくりと堪能させてくれる。
管理人のお気に入りは5分24秒から6分41秒。ちょっぴり長めの紹介となったが,これでも頑張って絞り込んでみたつもり(3分の中程あたりからはずっと聴き所が続いている)。
「初心者NG」と言うレッテルを貼っておきながらあれだが,エリック・ドルフィー独特の世界を掴もうと思うなら,この部分を繰り返し聴くと良いだろう。
“本物のジャズ”が何足るかが音で理解できるはずである。
ERIC DOLPHY : Alto Saxophone
BOOKER LITTLE : Trumpet
MAL WALDRON : Piano
RICHARD DAVIS : Bass
ED BLACKWELL : Drums
コメント
コメント一覧 (15)
これは聞いた事ないです。アウトトゥランチ、他ラバーマンの入ってるやつとか大好き。
白人のジャズは哀愁・恋愛の涙、黒人のジャズは郷愁・血反吐の涙。
ドルフィーの音は、血の味がします。
アート アンサンブル オブ シカゴ
とか、ドルフィーの音を声で表現してるようにも感じます・・・。
僕のjazzワールドを広げてくれた作品です。
それまで、50年代後半のハードバップ中心に聴いていた僕にとって、ドルフィーの音色、アドリブはカルチャーショックでした。
始めは意味不明でしたが、ドルフィーの楽しさを知ってから、オーネット・コールマンやフリーjazzの面白みもわかってきました。
これのvol.2もいかしてますよね!
それは、理論の構築、音楽理論にそっている音楽、これは、専門化でないと解らないかもしれません。
ジャズの表現の、数十年前にクラシックにおいてなされた改革、音楽理論の破壊が、ジャズに反映した、といってよいと思います。
通常の音楽の基礎は、ドレミ・・・ですが、これを規則的な音列の音階、ディミニッシュ、ホールトーン、などに置き換える、メシアンなどによる音楽の展開方、また、リズムの改革、これは、ストラビンスキーやバルトークなどによります。
コルトレーンが、インド音楽やその思想に新天地を求めたのに対し、ドルフィーは、音楽理論の展開に新天地を見たと思います。これは、アドリブをコピーするとよくわかります。
しかし、音楽の基礎はアラブ音楽などにあるので、懐古趣味的ともいえます。リズムや音程が複雑になること避けた事によってクラシックは世界に広まったともいえると思います。
トレーンもドルフィーも、魂の根源を求めたのだと思います。
コメントありがとうございました。
ジャズもいいですね〜♪あまり詳しくないですがマーカス・ミラー、マイルス・デイビスなどは少し知っています。
またちょくちょく遊びにきます。
ブログ名『〜あなたに出逢える日まで〜』のあみです。
このたび、ブログをお引っ越し致しました。
http://blog.livedoor.jp/zinsei1/
(タイトル変わっています)
もし良ければまた遊びに来てくださいね。
相変わらず渋いです
勉強になります
「白人のジャズ…,黒人のジャズ…」のくだりは,私には書けない表現です。
rooftomatoさんも,JAZZと真っ正面から向き合っておられるんですね。
私とは違う切り口の正当派? てごわいですが,コメント楽しみにしています。
「ドルフィーの真価」。これまた,ぶったまげてしまいました。
どのようにコメント返そうか10分悩みましたが,さっぱりお手上げです。こんなの初めてです〜。
rooftomatoさんの討論相手としては物足りないかもしれませんが,今後とも「○○の真価」シリーズを勝手に楽しみにさせていただいてもいいですか?
でも,どうぞお手柔らかに!
私もtomtomさんと同じ道をたどってフリーがおもしろくなった口です。
お仕事もフリー同様,楽しさを味わえるようになりますよ。頑張ってくださいね。
マーカス,マイルスに通じる部分がレッチリにもありますよ。JAZZ好きなロッカーの演奏にはJAZZの趣が感じられて,これが結構おもしろかったりします。
お引っ越しのご連絡ありがとうございました。これからはあみさんの書きたかったブログ読めるんですね。ますます楽しみです
“アウト トゥ ランチ”で、ドルフィーに興味を持ち、プレステッジ盤のソロ作品へ進んだのですが、“アウト〜”ほどには面白くないといった印象だったのですが、この“プロフェット”には、“アウト〜”の面白さに通ずるものを感じました。又、凡庸といえば凡庸なテーマが、ドルフィーとリトルの壮大なアドリブ展開の後に、締め括りとして再現された時には、同じテーマであるはずなのに、輝くばかりの印象をもたらす不思議さ。フレームとしての機能がバッチリなのかな?とも思います。
次回は是非とも、Vol2も取り上げてくださいませませ(笑)
【THE PROPHET』。とんでもなくいい演奏ですよね。
「凡庸といえば凡庸なテーマが、ドルフィーとリトルの壮大なアドリブ展開の後に、締め括りとして再現された時には、同じテーマであるはずなのに、輝くばかりの印象をもたらす不思議さ。フレームとしての機能がバッチリなのかな?とも思います」に同感です。
このテーマの流れがドルフィーのアドリブを導いたとも思えますね。うんうん。
『Vol2』へのリクエストありがとうございます。いつかは書きます。
現在のアドリブログはカテゴリーを見ていただければお分かりと思いますが日本人は五十音順,外人はアルファベット順で網羅していく予定です。現在はBでビル・エヴァンスの特集中です。エリック・ドルフィーはEなので半年後ぐらいには追いつけるかもしれません。どうぞ気の長いお付き合いを。
それでBooty☆KETSU oh! ダンスさんはブログとかやっていないのですか?
ブログは自分では書いておりませんで…誠にあいすみません(汗)
先程,勢いで半年後と書いてしまいましたが,よくよく考えるとほぼ不可能であることに気付きました。
Bにはボブ・ジェームスやブラッド・メルドーやブランフォード・マルサリスやビル・フリゼールらが控えていますし,Cにはチック・コリアやチャーリー・パーカーやクリフォード・ブラウンらが待っています。
そして外国のジャズメンばかり聴いていると自分自身が飽きてくるので(レビューを書く前には聴き直しているゆえ)J−JAZZをつまみながら一歩一歩前進している感じですし,仕事の波が襲ってきたら1週間はUPできませんし。末永いお付き合いを〜。