
パット・メセニー・グループにしてもフォープレイにしても,発売と同時にマニアからも批評家からも絶賛,もしくはバッシングされるような“一目置かれる存在”までには達し得ていない。
必須条件はコマーシャルな部分とマニアックな部分が絶妙に同居したコンボ。多くのジャズメンが尊敬し目標とする存在であると同時に,一般大衆受けする“伝説のコンボ”。そのようなコンボは管理人にとってウェザー・リポートが最後なのである。
そんな中,真のジャズ・コンボとして管理人がずっと期待しているのがイエロージャケッツである。
イエロージャケッツも,早いもので,もう結成20ウン年。現状は明らかに“期待外れ”ではあるのだが,いえいえ,管理人はまだあきらめきれていない。
外野では「伸び悩み」「今一歩煮え切れていない」「売れ線に走った」等,イエロージャケッツへの厳しい意見がささやかれていることも十分承知している。
しかし,他のジャズ批評家たちが何を言おうと,イエロージャケッツは今でも管理人の心を“揺さぶり続けている”。
イエロージャケッツが姿勢においてジャズ・コンボであり続けようとする限り,真にクリエイトなジャズが今でも創造されている,と断言できる。
イエロージャケッツにこれ程“入れ込む”ようになったきっかけが,名盤『POLITICS』(以下『ポリティクス』)である。そう。言わずと知れたグラミー受賞作。
しかし,イエロージャケッツにとって『ポリティクス』は別の意味での金字塔! そう。『ポリティクス』とはイエロージャケッツが,フュージョン・バンドからジャズ・コンボへの転向を高らかに“宣言”した「記念碑的な」アルバムなのである。
誰だって自分のそれまでのスタイルを変化させる際には,勇気や力がいる。踏ん切りがいる。女性の気持ちは良く分からないが,髪型一つ変えるだけでも大騒ぎである。
それがある意味,今より人気がない方向への変化だとしたらどうか? “古い”とか“時代遅れ”とか,マイナスに語られることが多いスタイルに,あえてイメチェンするだろうか?
イエロージャケッツは正にそれをやってのけた。人気フュージョン・バンドからジャズ・コンボへの“華麗なる”転身である。この姿勢に管理人は,たまらなく,たまらなくグッときてしまった。

しかし仮にそうだったとしても,その当時『ポリティクス』には何度も癒やされ,熱狂させられた。満たされない心を埋めてくれる,新たな恋人と出会った時に感じる“トキメキ”があったのだ。
ん? 仮になどは必要ない。れっきとしたグラミー受賞作なのだから…。
管理人の結論。『ポリティクス』批評。
『ポリティクス』にはウェザー・リポート解散後失われていた“真にグレートな”ジャズ・コンボの音がある。この特有の緊張感は並のコンボでは表現不可能。現代では唯一,イエロージャケッツでなければ“奏でられない音”が記録されている。
カムバック! イエロージャケッツ! もうイメチェンなどしないでおくれ!
フュージョン路線のイエロージャケッツも大好きだけど,ジャズにアプローチするイエロージャケッツが最高に好き!
01. OZ
02. TORTOISE & THE HARE
03. LOCAL HERO
04. GALILEO
05. FOREIGN CORRESPONDENT
06. DOWNTOWN
07. HELIX
08. AVANCE
09. ONE VOICE
10. EVENING DANCE
YELLOWJACKETS
RUSSELL FERRANTE : All Keyboards
JIMMY HASLIP : 5-Strings Bass
MARC RUSSO : Saxophone
WILLIAM KENNEDY : Drums
ALEX ACUNA : Percussion
STEVE CROES : Synclaviet
(MCA/MCA 1988年発売/25XD-1091)
(ライナーノーツ/松下佳男)
(ライナーノーツ/松下佳男)
ヨブ記18章 ビルダドの2回目の発言
クラーク・テリー 『ザ・セカンド・セット〜ライヴ・アット・ヴィレッジゲート』
コメント一覧 (8)
私も音楽を聴くのが好きで、色んなジャンルを聴きます!
ジャズも好きですが、正直詳しくありません。
なにか初心者が聴きやすいものがあったら教えてくださいね!
私のブログは日記や詩、気に入った名言や心の闇の部分を自由気ままに書いているので、お恥ずかしいのですが、今後とも宜しくお願い致します☆
また遊びに来てくださいね☆
応援してかえりますね^^
本日で、ブログ閉鎖することになりました
今までのコメントありがとうございました
これからもJAZZへの想いを伝えていったください(応援)
ではでは(笑)
私もイエロー・ジャケッツは大好きでポリティクスは今でも良く聴いてるんですよ。この作品はマーク・ルッソ在籍時のピークの様な感じがします(^o^)
この頃のラッセル・フェランテの書くメロディーはどれも心の琴線に触れちゃうんですよね〜。(今も素晴らしい曲を書きますが) 時に#8「アヴァンス」は名曲だと思います♪
個人的には、#6〜#10のフェランテの作品が大好きです。う〜ん・・私はやっぱりフェランテ好きなんだなぁ〜!
「ドリームランド」もいいですよね。私はイエロー・ジャケッツは全て好きです。
もう人気爆発ってことはないのでしょうが,これからも追いかけ続けていきます!
mususuさんとも,イエロー・ジャケッツについてもっと語り合いたいで〜す。
先日,某読者様のブログ閉鎖に関するコメント残していた時は「負けないゾ」って感じだったので…。残念でなりませぬ。
カムバック! イエロー・ジャケッツ! カムバック! ひろさん!
JAZZ/FUSIONの名盤をお探しの際には,また当ブログにお立ち寄りくださいね。
JAZZ好きとはうれしいですね。詳しくなくても音に反応できるのなら,自分の耳を信じていいと思いますよ。
当ブログのお奨めからヒントを得てくださればうれしいです。