
『POLITICS』の10曲目は【EVENING DANCE】(以下【イヴニング・ダンス】)。
【イヴニング・ダンス】は,ジャズ好きなら絶対に“燃える”(“萌える”?)!
クールからホット,ホットからクールへのスムーズな展開力。曲想がジワジワと盛り上がり,サックスに合わせて全員が一気にブレイク! これこそジャズの醍醐味である。
特筆すべきはラッセル・フェランテのキーボード! 【イヴニング・ダンス】の決定的なムードは全てラッセル・フェランテが創りだしている。テーマに彩りを添える繊細なタッチでメンバーを支えている。彼のジャズ・センスの高さを垣間見ることができる。
【イヴニング・ダンス】のハイライトはマーク・ルッソ! 2分1秒からのマーク・ルッソのサックス・ソロが“突然変異”でうめきはじめる。
この音を「何分何秒がどうのこうの…」と指摘するのはヤボ! 最初はソプラノっぽい美しい響きの音であるが,最後はそれこそ力技。“電車道”で持っていかれるかのような疾走感!
これはジョン・コルトレーンやウェイン・ショーターが得意としたアドリブであるが,マーク・ルッソのアドリブは“ルッソ流”と呼べるほど,完全に自分の言葉で歌っている。
そしてこれが計算ではなく,演奏中に“自然と熱気を帯びた感じ”に聴こえるところが,実に憎い!
無意識のうちにボルテージが上がる感じなので,まるで自分の内で感情が湧きたったかのような錯覚に襲われてしまう。
そう。これがジャズを聴く楽しみなのである。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
YELLOWJACKETS
RUSSELL FERRANTE : ALL KEYBOARDS
JIMMY HASLIP : 5-STRINGS BASS
MARC RUSSO : SAXOPHONE
WILLIAM KENNEDY : DRUMS
GUEST MUSICIANS
ALEX ACUNA : PERCUSSION
STEVE CROES : SYNCLAVIET

Politics

コメント
コメント一覧 (6)
なつかしいですね。
うちの実家の応接室には、いまだにアナログレコードのプレーヤーが、置いてあります。
この「イブニング・ダンス」は#3「ローカル・ヒーロー」と並んで、ポップ路線の頃の雰囲気を感じ取れるナンバーだと思います。盛り上がるツボもしっかり押さえていて私もとても大好きです。
それにしても、マーク・ルッソは素晴らしいサックスプレーヤーですよね!
http://nacyasennseinorecipe.livedoor.biz/
今後ども、どうぞよろしくお願いします。
「盛り上がるツボを押さえたプレイ」。正にそうですね。
マーク・ルッソは“理屈抜き”で楽しめちゃう,貴重なサックス・プレイヤーです。
アナログのレコードのプレーヤー! 未だいい音出してますか? レコードはCDと違ってかけなくとも,時と共に劣化する消耗品です。最高の音は時と共に失われてしまいます。是非,今を楽しんでくださいね。
JAZZ/FUSIONの名盤をお探しの際には,また当ブログにお立ち寄りくださいね。