『THIS IS THIS』の3曲目は【I’LL NEVER FORGET YOU(DEDIEATED TO THE MEMORY OF MY PARENTS)】(以下【アイル・ネバー・フォアゲット・ユー】)。

 【アイル・ネバー・フォアゲット・ユー】は,ジョー・ザビヌルから両親へ捧げたレクイエム? いいや,郷愁を誘う回想録である。
 「何と美しい思い出なのであろう…」。そう勝手に思い込める“美のトラック”! 別に“お涙頂戴”的ナンバーではないのだが,素直に聴いて感動する。ジーンと来る。

 テーマの選択,キーボードの“音色”の選択,あるいは“雄大な”リズムの仕上がりに至るまで一貫してそうなのであるが【アイル・ネバー・フォアゲット・ユー】には,ジョー・ザビヌルの“ロマンティシズム”が如実に反映されている。ジョー・ザビヌルの心の中を覗いたようで,聴き手のこちらが“赤面”してしまいそうな雰囲気がある。

 特にピンポイントで5分46秒から5分57秒までのフレーズが大・大・大好きで,ひたすらリピートして聴いた記憶がある。
 ジョー・ザビヌルは本音,本心という核心部分において,偉大な“美の芸術家”なのである。 

 …と,ジョー・ザビヌルばかりを大絶賛してしまったが【アイル・ネバー・フォアゲット・ユー】の“陰”の立役者はピーター・アースキン
 いやぁ,このドラミングがドラマティック! 特に6分4秒からのジョー・ザビヌルとの掛け合いで聴かせる“乱れ打ち”がハイライトを見事に演出している。
 バラードの後ろで,激しく叩くピーター・アースキンドラムの“味”を覚えてほしい。

 
WEATHER REPORT
JOSEF ZAWINUL : Keyboards
WAYNE SHORTER : Saxophone
VICTOR BAILEY : Bass
MINO CINELU : Percussion, Vocals
PETER ERSKIN : Drums

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THIS IS THIS
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サムエル記第二12章 ナタンがダビデを戒める
FOURPLAY 『エリクシール