『POLITICS』の3曲目は【LOCAL HERO】(以下【ローカル・ヒーロー】)。

 【ローカル・ヒーロー】と言えば,今ではボーカル・ナンバーの方が有名であるが“元祖”サックス・バージョンもどうして…。アルト歌手=マーク・ルッソがよく“歌っている”。

 マーク・ルッソの特徴は,アドリブを吹いている時よりも,普通にテーマを奏でている時の方が掴みやすい。
 例えば,メイン・テーマ。注意深く耳を傾ければすぐに聴き取れるはずだが,マーク・ルッソアルト・サックスは“絶えず”微妙に揺れている。“スーッ”と伸びきっているように思えて,実は“静止状態”がほとんどない。これが聴いて“なんだかよく分からないけど気持ちいい”のミソなのだ。
 “レイコンマ何秒の世界”で描く,マーク・ルッソ独自の“味付け”が【ローカル・ヒーロー】成功の秘訣であろう。

 いいや,歌っているのはマーク・ルッソ1人ではない。
 ラッセル・フェランテキーボードが,たまらなくいい! キーボードを一音一音丁寧にメンバーの音に“添えた”ラッセル・フェランテキーボードが,トラック全体に爽快な音の厚みと奥行きを与えている。
 例えば,イントロでのリズミカルで“華やいだ”タッチや,3分48秒からの音色の選択こそが,正にイエロージャケッツの魅力そのものとも言える。

 そして“陰の主役たち”ジミー・ハスリップベースウイリアム・ケネディドラムの“快演”に言及しないで,この記事を結ぶことなどできない。
 【ローカル・ヒーロー】というタイトルがぴったりな,ちょっと“古め”のノリに“お尻くねくね”したくなる。このビート,このベース・ラインが最高に気持ちいい!

 
YELLOWJACKETS
RUSSELL FERRANTE : All Keyboards
JIMMY HASLIP : 5-Strings Bass
MARC RUSSO : Saxophone
WILLIAM KENNEDY : Drums

ALEX ACUNA : Percussion
STEVE CROES : Synclaviet

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