『THE GENIUS OF BUD POWELL』の2曲目は【TEA FOR TWO】(以下【ティー・フォー・トゥー】)。

 【ティ・フォー・トゥー】はピアノ・トリオでの演奏であるが,実質ベースドラムは“お飾り”である。
 ベースドラムの創り出す安定したリズムの上を,個性豊かなピアノの音が華麗に自由に駆け抜ける,といった一般的なピアノ・トリオのイメージとは対極にある。

 そう。バド・パウエルの,常人の“倍速以上”で自分の道を突き進む“豪腕”ぶりに,かろうじてリズム隊が喰らいつく…。要はバド・パウエルの“一人勝ち”である。

 さて,テイク2であるが『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエルオリジナルLP収録時の“純”オリジナル・テイクだけあって,一番きっちり,かっちり,まとまった演奏である。3テイクの中で腰を据えて聴くには一番の出来である。

 
BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

THE GENIUS OF BUD POWELL-1
THE GENIUS OF BUD POWELL
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エステル記8章 形勢を逆転させる王の命令
大西順子 『ワウ