『PORTRAIT IN JAZZ』の4曲目は【WITCHCRAFT】(以下【ウィッチクラフト】)。
【ウィッチクラフト】は名トラックである。読者の皆さんには,まずこの点をしっかりと押さえておいていただきたい。
管理人の“ジャズ批評家”としてのプライドをかけてここに提言するが,世間の下す【ウィッチクラフト】への評価は余りにも低すぎる!
『ポートレイト・イン・ジャズ』と言えば,世間では【枯葉】【降っても晴れても】【いつか王子様が】【スプリング・イズ・ヒア】【ブルー・イン・グリーン】の名が挙がる。この結果は至極当然のこと。さして異論はない。
残念なのが【ウィッチクラフト】についての評価を尋ねた場合。ほとんどの場合,ハテナ?あるいは“ああ,そう言えば”的な反応に終始する…。
NO.1に挙げろ,とまでは言わない。ただ,もっと評価のしようがあるだろうに,と思ってしまう。真にガッカリである。いや,この低評価に憤りさえ感じてしまう。全てのジャズ・ファンに,もう一度“評価の見直し”をお願いしたいほどなのだ。
なぜならば,管理人的には『ポートレイト・イン・ジャズ』の中で,エヴァンス“らしさ”を色濃く感じるのが,何を隠そう【ウィッチクラフト】だからである。
このエヴァンス“らしさ”を説明するのは難しいのだが,互いに剣を交えることで剣を“研ぎ合う”的なこと。勝つ負けるの勝負ではなく,腕を上げるための“手抜きなし”の腕試し的な…。そう。ここは命懸けの寸止めの世界。ここに“美”が宿っている。
【ウィッチクラフト】の構図はこう。( エヴァンスの左手 < リズム隊 < エヴァンスの右手 )+ 耽美主義!
序盤は左手一本でリズム隊の頭を押さえつけていたビル・エヴァンスのピアノであるが,スコット・ラファロのベースが暴れだすと,もはや押さえが効かなくなる。
なんとなく「暴動を制圧にかかる政府」の描写のようであるが,ビル・エヴァンスがジャズ・ジャイアントであることを忘れてはならない。
ビル・エヴァンスは暴動を力業ではなく自分の右手で,それはそれは美しいフレーズを奏でて制圧にかかる。スコット・ラファロ&ポール・モチアンも納得の,最高のアドリブで静まりかえったのである。
NO.1とは言わないが…。by 「アドリブログ」+【ウィッチクラフト】評価向上委員会。
BILL EVANS : Piano
SCOTT LaFARO : Bass
PAUL MOTIAN : Drums
コメント
コメント一覧 (8)
(^^;)
遊びにきてくださいね!
遊んでばかりですが・・
「ウィッチクラフト」好きでいてくれてありがとう。うんうん。アルバムに収録された曲順で損しています。私の代わりに機会があったら代弁願いますよ〜。
JAZZ/FUSIONの名盤をお探しの際には,また当ブログにお立ち寄りくださいね。
ビル・エヴァンスの「枯葉」がいいのは当然として,Sayaの『Simple Poem』! インディーズ時代のCD再発? 単なるレアな掘り出し物?
セラビーさんのレヴューはかなり詳しく書き込まれているのでとても参考になっています。CD聞きながらの解説に役立っています。唯一、欲しいCDが増えて困るのが難点です。ぼちぼち買っていこうと思っています。またお邪魔いたします。
『ポートレイト・イン・ジャズ』の裏番長【WITCHCRAFT】ですね。このトラックには本当にハマリました。ちあきさんとフィーリングが合ってうれしいです。
アドリブログよりも詳しくレベルの高いジャズ・ブログはたくさんありますが,アドリブログは感性重視のマニアの共感サイト?ですから〜。ちあきさんともこれからお友達ですよ〜。
お互いお小遣い大事に使いましょうね〜。私もまだまだ賢く買い続けま〜す。