『SOLO MONK』の3曲目は【SWEET AND LOVELY】(以下【スウィート・アンド・ラヴリー】)。

 【スウィート・アンド・ラヴリー】は,アップテンポ+メロディアス=明るいはずなのに,どことなく暗い。二重人格のように「裏と表」「陰と陽」が同時に交錯している。

 イントロからいきなり上機嫌で入ってくるものの,17秒から24秒のフレーズですぐさま腰を折られてしまう。出だしから2度同じ事を繰り返されるのだから,リスナーが情緒不安定になってしまうのも,致し方ないであろう。
 そう。一気に頂上まで上ってしまいたいのだが,なんだか足下を一歩一歩確認しながらでないと足を踏み外しそうで恐い。そんな感じ。← いいんですよ〜。どうせ管理人以外には分からないんだから…。

 ただでさえ“調子外れ”のセロニアス・モンクピアノが,この見事な“ズッコケ”と相まってたまらない。聴き終わっても,ず〜っと耳から離れない。ついつい幸か不幸か“落ちる”アドリブばかりを“ヘヴィー・ローテーション”してしまう。

 そう。モンク中毒者にとっては,これぞカタルシス! そうでなければ拒絶反応!
 【スウィート・アンド・ラヴリー】は,セロニアス・モンクの世界を“受け入れられるかどうか”の「リトマス試験紙」的トラックの代表格であろう。

 
THELONIOUS MONK : Piano

SOLO MONK-1
Solo Monk
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



出エジプト記18章 裁判人を任命するようエテロが助言する
キース・ジャレット 『エルジェイシオ