『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の2曲目は【ASIA】(以下【アジア】)。


 キレの良いリズムとメロディアスなテーマが印象的な【アジア】は,たとえ西洋楽器のオンパレードであろうとも,もろ“アジア”っぽい。アジアの多様性と,世界でここだけにしか存在しない独自の空気感が,見事に音楽の中で混在している。

 その特徴を醸し出すのが,全編を流れる高速鍵盤バッキング+ベース・ラインによるリズム感。【アジア】における打ち込みドラムは単なる“アクセント”である。
 イントロの15秒間を聴くだけで,この管理人の主張は伝わると思う。高速な鍵盤の海をリズミカルなベースが駆け抜け,そこへビシバシとドラムが入ってくる。そして軽快で優雅なキーボードの主旋律が鳴り響く。ん〜,気持ちいい。
 こんな“一人時間差”のコンビネーションは,カシオペアでもなかなかお耳にかかることは少ない。名トラックであろう。

 1分36秒から2分5秒までを“コマ切れ”に調理した2分58秒からの展開は,アジアの様々な場所を高速移動した感じがよく出ている。ただし“祭囃子”は“いかにもなやりすぎ”なのでは?
 “祭囃子”なしでも十分「エキゾチック・ジャパン」はヒロミ郷。
 いやいや『ASIAN DREAMER』は,新メンバーによる“焼き直し”ベスト盤。

MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano