『LACH DOCH MAL』の1曲目は【QUAND BIRON VOULUT DANSER】(以下【カン・ビロン・ヴリュ・ダンセ】)。

 【カン・ビロン・ヴリュ・ダンセ】は,山中千尋の“肩の力の抜けた”リラックスした演奏と“熱い”アグレッシブなリズム隊の演奏が“両面”楽しめる。

 伸びやかなピアノ! その要因こそ,山名千尋が待ち望んだ,ラリー・グレナディアジェフ・バラードの“心休まる”最強リズム隊とのコラボにある。山中ピアノが,まるで「水を得た魚」のごとく,感じるままに,自由自在に鍵盤を駆け巡っている。
 しかし残念ながら“縦横無尽に”とは行かなかった。このアドリブの音階は,中域集中のメロディ・ライン! 中域限定での両手フル使いのアドリブが,リズム・ギターで“華やいだ”ラテン・フレーバーな強烈なビートと“溶け合う”様が見事である。やはりこの3人の相性はいい。
 3分21秒からのリズム隊の,ちょうど良い“あおり”具合が,なかなかの聴きどころである。

 ただし,音数が多い割りに“軽い”ので,サラリと聴き流してしまう。BGMとしては良いかもしれないが,好みではない。

 
CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums
JOHN CARLINI : Guitar

LACH DOCH MAL-1
LACH DOCH MAL
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ビル・エヴァンス 『ムーンビームス