
『GROOVY』の2曲目は【GONE AGAIN】(以下【ゴーン・アゲイン】)。
【ゴーン・アゲイン】は,お涙頂戴の一歩手前=しっとり系のバラード。この雰囲気がハマル。何より3人の“歌心溢れる”アドリブが素晴らしい。
レッド・ガーランドのアドリブは,聴衆抜きに“自分の郷愁の世界”に一人没頭している感がある。
このテーマの微妙な変化に気付いてほしい。イントロから始まる,いわゆる“崩しのない”前半の特徴が“無情”だとすれば,後半のそれはいかにも“情緒不安定”。曲の美しさに“クラクラ&フラフラ”。もう惚れてしまっている。
演奏が進むにつれ“高揚感タップリ”で,ジャズらしくなる。4分10秒以降のピアノには“揺らぎ”があるし,4分43秒以降のフレーズには,ジョン・ルイスが入っている。5分44秒からは,バド・パウエルさえ入っている。感極まっている!
2分1秒からのポール・チェンバースのベース・ソロは,地を這うように重く,力強いのであるが,2分32秒からのフレーズは完全な“むせび泣き”である。そう。ポール・チェンバースも完全に一人“悦に入っている”。
どうやら【ゴーン・アゲイン】の成功は,まとめ役に回った,アート・テイラーの“手腕”が大きいと言えよう。やはりソロイストには「叩きすぎない」ドラマーがピッタリである。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
THE RED GARLAND TRIO
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums

グルーヴィー

コメント
コメント一覧 (8)
コメントありがとうございます^^
これから宜しくお願いしますね!
ツボ押し!!応援
うわー、CDの批評ブログですか。
しかもJAZZ!なんて高尚な。
勉強させていただきます。
応援ポチっとしときました。
今後とも宜しくお願いします。
アート・テイラーもいいですよね。「静かなるケニー」では,トミフラに寄り添うドラミングで,あの“叙情性”に貢献していると思います。
JAZZ/FUSIONの名盤をお探しの際には,また当ブログにお立ち寄りくださいね。
“高尚な”JAZZに不釣り合いな,なんちゃって批評ブログですが「名言・格言・ことわざ」のプロの技を“拝借”して,高尚な表現の連発を目指せるといいかなぁ。
って私もちょっと、っぽいなあって思いました
ガーランドかなりの割合で聴いてます
レッド・ガーランドは広義には“パウエル派”ですが,私はそうは思っていません。しかし,ごくたまにですが“パウエル派”と呼ばれる演奏にぶつかり,しばし思い悩みます。せいせいさんはどう思われますか?