『MY BALLADS』の3曲目は【ALWAYS YOU】(以下【オールウェイズ・ユー】)。


 【オールウェイズ・ユー】の曲想は,一昔前の歌謡ロック! 加えて,全編で何度も登場するキーボードエレキ・ギターの泣きっぷりが,いかにも日本的なビッグ・バンド風? キーボード奏者が3人にツイン・ギターと来れば,メロディ偏重の歌謡曲路線は決定的? このアレンジで本当に良いのだろうか?

 そんな逆境を跳ね飛ばすべく? MALTAアルト・サックスソプラノ・サックスのごとく鳴らし続ける。
 そう。このトラックを最初に聴いた時,ソプラノ・サックスを吹いているのかと思った。それ位,高域連発のアルト・サックスの音色が“ずば抜けて”美しい。
 しかし残念ながら,聴き所はこの美しい音色だけだ。MALTAのフレージングも“クール”寄りで,結果,ビッグ・バンドのリード・アルトソプラノ)奏者の域に成り下がってしまっている。
 そう。曲想とバックに呑み込まれた,没個性…。

 これは狙い? “絶品の音色”であるだけに,ライオネル・ハンプトン楽団のリード・アルトコンサートマスター時代の“クセ”が抜けていないだけだとしたら,誠にガッカリである。

MALTA : Alto Sax
KATSUTOSHI MORIZONO : Electric Guitar Solo
KIYOTSUGU AMANO : Electric Guitar
YOSHINORI KAKETA : Fender Rhodes
YOSHIKAZU MATSUURA : Synthesizers
KAZUO KIMURA : Electric Bass
TOMIHIRO MAEDA : Drums
TADAOMI ANAI : Percussion