
そう。各分野の頂点を極める人々が,自分の能力を最大限同じベクトル上に発揮したもの。言わば「一枚岩での完全分業制」である。
ただしこれは理想に過ぎない。現実には有り得ない。そこで次の選択肢はシンガー・ソング・ライター。自作自演であれば分業制最大のネックである「意思疎通の欠如」は解消されてしまう。
『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』(以下『イパネマの娘』)は,ボサノヴァの“産みの親”=アントニオ・カルロス・ジョビンの自作自演集!
ボサノヴァ界“最高の作曲家”が,自身のピアノとギターによって(最高ではないかもしれないが)自分の頭の中のイメージを表現してみせる!
これぞ“聞き物”であろう。何と言ってもアントニオ・カルロス・ジョビンこそ「ボサノヴァ」という,新たな音楽ジャンルをゼロから造り上げた最重要人物! 「ボサノヴァ」という新たな音楽が誕生した瞬間の感動を味わうことができる,かも?
さて,ボサノヴァとは1950年代後半から60年代前半に全世界を席巻した“ブラジル産ジャズ・サンバ”! 勿論,今となってはブラジル音楽の“懐メロ”であろうが“懐メロ”は息が長い! 時代を超え国境を越え,全世界の音楽ファンに親しまれ愛され続けてきた。
「歌は世につれ,世は歌につれ」=古賀メロディ。そう。アントニオ・カルロス・ジョビンは“ブラジルの古賀政男”なのである。 ←ジョビン・ファンの皆さん,ごめんなさい。ここはカッコつけて,ジャズ・スタンダードの名作曲者たち,ビクター・ヤングかコール・ポーター,はたまたジョージ・ガーシュウィンならいいですか?
“ブラジルの古賀政男”説は置いといて…。『イパネマの娘』はクラウス・オガーマンのオーケストラ&ストリングスと共演した完全インスト! 否が応でもアントニオ・カルロス・ジョビンの“天才メロディ・メーカーぶり”が際立つCDである。
やはりメロディ・ラインが美しい。繊細でしなやかで「淡い音」。しかしその中に複雑なコード進行が微妙に散りばめられている。これが「ボサノヴァ」の真骨頂である。無意識のうちに,笑顔&笑顔! 自然と笑顔がほころび,ジョビンのメロディを“口ずさんでいる”自分に気付く。
やはりボサノヴァのルーツは“ジャズ・サンバ”である。海岸でみんなで“ワイワイ”バーベキュー&ビーチバレーのBGM! いやブラジルと言えばコーヒーでしょ? スタバでのアイス・ラテ飲むBGM? いやいや,えっと,そして…。

耳をソバダテCD批評などバカバカしい!? やってらんない!?
さぁ,今すぐ,外の陽射しを思いっきり楽しみましょう。読者の皆さんもPCの電源を落として,管理人と一緒に散歩しましょ? 大切なのは“LOVE&PEACE”! ただそれだけ…。
こんな“フヌケ男”にさせてしまう『イパネマの娘』が,アントニオ・カルロス・ジョビンが,そしてボサノヴァが大好きである。
PS 冒頭の硬派路線=最高の音楽の話はどこに行ったんでしょうねっ。
01. THE GIRL FROM IPANEMA
02. AMOR EM PAZ
03. AGUA DE BEBER
04. DREAMER
05. FAVELA
06. INSENSATEZ
07. CORCOVADO
08. ONE NOTE SAMBA
09. MEDITATION
10. JAZZ SAMBA (SO DANCO SAMBA)
11. CHEGA DE SAUDADE
12. DESAFINADO
(ヴァーヴ/VERVE 1963年発売/UCGU-7038)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/ドン・セルリ,オノ・セイゲン)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/ドン・セルリ,オノ・セイゲン)
コメント
コメント一覧 (4)
BGMとしては、僕はビーチよりもスタバでコーヒーですね(笑)。
夏だ! 海だ! ボサノヴァだ!
私も「オーケストラではない方が良かったのに」と思うことはありましたが,アドリブ無し!と割り切れたら,イージーリスニングとして楽しめるようになりましたよ。
和仁さんもスタバでコーヒー派ですね。今度ご一緒しましょ。