
『SOME SKUNK FUNK』の1曲目は【SOME SKUNK FUNK】(以下【サム・スカンク・ファンク】)。
【サム・スカンク・ファンク】は“音の大洪水”! 使い古された言葉はどうかと思ったが,やっぱり“音の大洪水”としか表現が見当たらない。
何が“大洪水”かと言えば,この音圧にしてこのタテノリ! 全身で受け止めようと思っても無理。どんなに踏ん張っても軽く押し流されてしまう。これは“鉄砲水”である。
CDの無数のピット上から,連続射撃が行なわれる。鉄砲水改め“ライフル”水! ランディ・ブレッカーのトランペットとマイケル・ブレッカーのテナー・サックス以外からも,縦横無尽“至る所から”怒濤のフレーズが繰り出される!
勿論,アドリブを執るのは『ブレッカー・ブラザーズ』だけであるが,例えばリズム隊! ウィル・リーとピーター・アースキンによる“ファンク・グルーヴ”で,ガッツリ攻めてくる! 全開で“ビンビン”グルーヴを回されれば,そりゃ,腰砕けになるわけさ。
“先攻”のマイケル・ブレッカーがスパーク! 2分57秒から3分4秒までのフレーズは,2006グラミーの「BEST JAZZ INSTRUMENTAL SOLO」受賞にふさわしい“年に一度の”アドリブに違いない!
“後攻”のランディ・ブレッカーは,ゆったりとした入りながら,3分38秒からはビッグ・バンド全員を引き連れて,これまた大スパーク!
この時間こそ“至福の一時”である。今回も使い古された言葉しか出てこないので,残る賛辞はご自分の耳と唇で…。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
RANDY BRECKER : Trumpet
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone
JIM BEARD : Piano & Synthesizer
WILL LEE : Electric Bass
PETER ERSKINE : Drums
MARCIO DOCTOR : Percussion
THE WDR BIG BAND KOLN CONDUCTED BY VINCE MENDOZA

Some Skunk Funk

コメント
コメント一覧 (2)
ピーター・アースキンは,実力でウェザー・リポートの最後部を勝ち取った,という逸話がありますよね。やはり彼のドラムには“電化ジャズ”が似合います。