『11TH DIMENSION “KEY”』の4曲目は【ALONE IN LOVE】。


 【ALONE IN LOVE】は,情感たっぷりのサックスバラード! 勝田一樹アルト・サックスが,音程までも揺れて聴こえるのは気のせいか? 小野塚晃奏でるキーボードの音色が,エコーがかって尺八っぽく聴こえてしまうのは,完全に気のせいである。

 キャッチーで甘いメロディ・ラインだとは思うが,印象としては薄い。イージーリスニングっぽくて“ディメらしさ”に欠ける。
 往年のフュージョン・ファンなら絶賛するかもしれない,3分7秒からの盛り上がりは,期待通りではあって期待以上のものではない。これがDIMENSIONの末期カシオペア化&末期スクェア化(内容スカスカの慣性の法則)の前兆に思えて,ディメ・ファンとしては真剣に危機感を抱いたものである。

 【ALONE IN LOVE】を聴くたびに,そんな余計な心配を最大の悩み事として友人と語り合っていた,一途なジャズフュージョン青年だったことを思い出す。あの頃って薄い悩みしかなかったんだなぁ。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone