『TONIC』の3曲目は【SEVEN DEADLIES】(以下【セヴン・デッドリーズ】)。

 【セヴン・デッドリーズ】こそが「メデスキ,マーチン&ウッド」が考える“ジャズの前衛”である! 実体はピアノ・トリオによる“プログレ”なのであるが,曲の展開がもろジャズ的であるので,一瞬たりとも耳が離せない! 耳をそばだて,ただアンテナを高く張り巡らすのみ…。

 イントロからクリス・ウッドが先導するベース・ラインに,ジョン・メデスキが乗っかりかけると,クリス・ウッドが敢えてベース・ラインを外してくるわ,はたまたビリー・マーチンが強烈なドラミングメデスキの乗っかりを制するわで…。開始早々,すぐに胃袋を掴まれてしまう。

 1分23秒以降,バンドが速度を上げていく! 音階を下げ,ピアノとのユニゾンを演出するクリス・ウッドベースが最高である。この流れでいつの間にやら大スパーク!
 実際にはそんなことないのかもしれないが,聴感上,一音一音の隙間が狭まってくる。息苦しくなる程の“音密度”! それが説明不要の三者三様のアドリブで音の隙間を埋めていくのだから,もうたまらない!

 5分28秒からの「豪音」! これぞ管理人が“プログレ”と呼んだ真意である。
 本来なら1秒1秒批評すべきダイナミックな展開が“前衛”の証し! 最先端のアドリブが“ドミノ倒し”で続いていく!

 10分過ぎからの再テーマのペースダウンが,これまでとは一転,あまりにも静かな演奏で,ギャップを感じつつ,あっけなく終演…。
 後に残された「壮大なスケール感」に“ライブ”を実感させられてしまう。

 
MEDESKI, MARTIN & WOOD
JOHN MEDESKI : Piano, Melodica
BILLY MARTIN : Drums, Percussion, Mbira
CHRIS WOOD : Bass

TONIC-1
TONIC
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