
『WAY OUT WEST』の9曲目は【WAY OUT WEST (ALTERNATE TAKE)】(以下【ウェイ・アウト・ウエスト(別テイク)】)。
【ウェイ・アウト・ウエスト(別テイク)】での,ソニー・ロリンズのテナー演歌?“こぶし”の効いたアドリブに愛着を覚えてしまう。
1分13秒から17秒で顕著なように,テーマ全体をゆったりと崩している。しかしそこにはテーマの「乗り遅れ」はない。ソニー・ロリンズが“こぶし”を回す時間だけが,スロー・モーションで過ぎ去ってゆく。
トラック批評のために例の何分何秒を計ってみたが,特に数字上の異変はない。しかし確かな感触としての「特異なタイム感覚」だけが残ってしまう。ここでは便宜上「イッツ・ロリンズ・タイム!」とでも呼んでおこう。
3分台から5分台のレイ・ブラウンのベース・ソロとシェリー・マンのドラム・ソロの前後に入る“合いの手”が,実に冴えている。やはり“一瞬で場を読んだ音選び”は天才の証しであろう。
おっと,硬派チックに批評してしまったが【ウェイ・アウト・ウエスト(別テイク)】の聴き所は“軟派”なソニー・ロリンズにあることをお忘れなく!
是非,ソニー・ロリンズの手癖である,5分45秒からのバフバフ音で“にやついて”みてください。“にやつける”ようになるまで聴き込めば,管理人の主張する【ウェイ・アウト・ウエスト(別テイク)】の良さが,きっと分かることと思います。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
SONNY ROLLINS : Tenor Sax
RAY BROWN : Bass
SHELLY MANNE : Drums

WAY OUT WEST

コメント
コメント一覧 (4)
ちなみに自分の一番好きなアルバムはBill Evansの『You Must Believe In Spring』です。
正しく「別テイク」の本領発揮です。テイク別に聴き比べることで,ロリンズの“自由奔放さ”がよ〜く分かります。
ビル・エヴァンス『YOU MUST BELIEVE IN SPRING』とは素晴らしい。もしや「JAZZはピアノ・トリオに限る」と思ってはいませんか? いやいや,それ程素敵なピアノ・トリオ作だと言う意味です。
でもJAZZはピアノだけではないですよ。当ブログで一緒にJAZZの新しい魅力を発見してみましょうよっ。