『SOLO MONK』の10曲目は【I SHOULD CARE】(以下【アイ・シュッド・ケア】)。

 【アイ・シュッド・ケア】には“ソロピアニストセロニアス・モンクが詰まっている! キーワードは“響き”である。

 遅咲きのジャズ・ジャイアント=セロニアス・モンクが,売れないピアニスト時代,一日中一人自宅でピアノの“響き”を研究していたエピソードは余りにも有名であるが,ブレイク後も空き時間にはピアノの練習に明け暮れていたことは,余り語られていないように思う。
 【アイ・シュッド・ケア】では,そんなブレイク後も“響き”の研究者たらんとしたセロニアス・モンクの研究成果が披露されている。

 例えば51秒からの1分4秒までのメリハリある展開を聴いてみてほしい。ハイライトは「スローなタッチと激しいタッチ」! 一音弾くにも何百通りのアプローチを試みたに違いない。
 超有名スタンダードを一人“噛みしめるように”弾いている。しかし次の瞬間,鍵盤を強烈に叩きつけている。やっぱり“響き”なのである。

 【アイ・シュッド・ケア】の名演で明らかなように“ソロピアニストセロニアス・モンクピアノの音は,独自の理論と練習によって,西洋音楽では絶対に越えられない「ベルリンの壁」を越えている。ブレイクスルーした瞬間の記録である。

 
THELONIOUS MONK : Piano

SOLO MONK-1
Solo Monk
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出エジプト記25章 幕屋のための箱
ポンタ・ボックス 『PONTA BOX