『BALLADS』の8曲目は【NANCY (WITH THE LAUGHING FACE)】(以下【ナンシー】)。

 【ナンシー】とは,当時2歳のフランク・シナトラの愛娘=ナンシーに捧げられた佳曲であるが,ご機嫌ナナメのナンシーちゃんをあやしているのは,慣れない手つきで「正面からあやしにかかる」ジョン・コルトレーンではなく,そのコルトレーンのスキをついて“バッキングで巧みにあやす”マッコイ・タイナーであろう。

 やはり幼子は正直だ。「生真面目な堅物」ジョン・コルトレーンにはなつかない。
 それが分からず,意地になってあやし続けるジョン・コルトレーン。このテナー・サックスの音色は,やはり“目が笑っていない”。本気で吹き鳴らすテナー・サックスに“内に秘めたる闘志”が見え隠れしている。

 一方,アンパンマン並みの大顔で,クルクル回転しながらもジャズ・ピアノを響かせるマッコイ・タイナー
 読者の皆さんにもあったでしょ。昔,オルゴールが流れ出すと,黙って聴き惚れた経験が…。

 1分53秒,2分29秒,2分48秒から流れ出すピアノこそ,疑似オルゴール! “小川のせせらぎのような”華麗な音色に,ナンシーちゃんの笑顔が表われる!

 
JOHN COLTRANE : Tenor Saxophone
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums

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Ballads
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