『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 2』の2曲目は【ETERNAL CHILD】(以下【エターナル・チャイルド】)。
【エターナル・チャイルド】を,初めて耳にした時のインパクトが忘れられない。「ほ〜っ,そう来たか」正直,にやついた。この大胆なアレンジの変更に,チック・コリアの新生チック・コリア・エレクトリック・バンドへの思いを“見透かした”気がしたものだ。
『EYES OF THE BEHOLDER』での【エターナル・チャイルド】には,あのジャケット少女の(裏ジャケの大正ロマン風のポートレイトも)影響かもしれないが,中世貴族の「おとぎの国」をイメージしていたが,ニューアレンジで一気にジャズ・ナンバーへと生まれ変わった!
抽象絵画から精密写真のような解像度の変化で,クリアな輪郭線が浮かび上がる! 聴き慣れないうちは,見え過ぎちゃって困ったものだが,元々【エターナル・チャイルド】の魅力はメロディ・ラインではない。チック・コリアのロマンチシズムである!
ニューアレンジの【エターナル・チャイルド】からは,チック・コリアのロマンチシズムが消えている。その代わりにジャズの雰囲気が香っている。
チックが“エッジを立てて”ピアノをかき鳴らす! 「おとぎの国」から解き放たれたジャズ・スピリッツ! アドリブ勝負の「ジャズの国」へと舞い戻った,ハイテク即興集団の熱演が楽しい。
CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums
コメント
コメント一覧 (4)
そう来ましたよ〜。印象派から写実主義へと転換した【エターナル・チャイルド】もどうぞ。
管理人さんと同じく「そんなアレンジの仕方で来るかー」と言う感じでした。
音作りの進化はもちろんのこと、アレンジ後の雰囲気の違いが堪能出来る一曲。
進化前「Eternal Child」と
進化後「Eternal Child」。
両方グッとくるものがありますね。
最後 chick corea の奥さんである、Gayle Moran Corea さんの声が聞こえたのは気のせいですかね?
進化前,進化後というよりもアレンジ違いの2つの「Eternal Child」はチック・コリアからのプレゼントだと思います。
初演派,再演派と別れるのでしょうが,今回ばかりはどちらも素晴らしい。
願わくば2017年のCCEBで「Eternal Child」の第3バージョンが出てほしい。名曲は色褪せることなく何度でも違う色で塗り変えられます。名手=チック・コリアの面目躍如な「Eternal Child」です。