『PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION』の3曲目は【ONLY TRUST YOUR HEART】(以下【オンリー・トラスト・ユア・ハート】)。
【オンリー・トラスト・ユア・ハート】には,木住野佳子の“喜び”が詰まっている。
ライナーノーツにあるように,この喜びは木住野佳子の「記念すべき初レコーディング」の喜びなのかもしれない。しかし管理人には,それ以上の,ジャズ・ピアニストとして悦に入った瞬間の“喜び”が表現されていると思う。
これは木住野佳子1人の喜びではない。ベーシスト=マーク・ジョンソンの喜びでもある。そう。過去にビル・エヴァンス・トリオの一員として登りつめたピアノ・トリオの頂点に,今回は木住野佳子とピーター・アースキンを連れ添って,最高の3人で到達できた満足感!
【オンリー・トラスト・ユア・ハート】こそ,かのビル・エヴァンスが見つめていた音世界! ついに登ることを許された,凡人には「隠されし」ピアノ・トリオの頂点へ足を踏み入れた喜びを噛みしめている。
スローなイントロで始まる【オンリー・トラスト・ユア・ハート】が,徐々にリズムを速め,軽快にスイングしていく“変貌の展開”に,ピアノ・トリオの高みを目指す3人の姿を思い重ねることができた。木住野佳子とマーク・ジョンソンが放つ“喜びのオーラ”が,聴き手を「幸福感」で包んでくれる。素晴らしい。
YOSHIKO KISHINO : Piano
MARK JOHNSON : Bass
PETER ERSKIN : Drums, Percussion
コメント
コメント一覧 (4)
先日、NHK教育の英語講座番組で、ピアノを弾いている姿を観ました。大西順子さんは結構好きでライヴも観に行ったことがありますが、木住野佳子さんはほぼ未聴。この作品、かなり良さそうですね。
遅まきの木住野ファンですので偉そうなことは言えませんが,木住野さんに美しい曲を弾かせたらピカイチです。
ご指摘のNHK教育見逃しました。動く木住野佳子はまだ見たことがありません。今度こそライブ行かねば…。
はい。新生エヴァンス・トリオのインタープレイを想像する楽しみがあります。