行ってきました! 5/20「大阪フェスティバルホール」での「キース・ジャレット ソロ2008 『I Love festival hall』」!

 『I Love festival hall』と題された今回のコンサート! 過去に14回もステージに立った,キース・ジャレットが“愛してやまない”大阪フェスティバルホールでのラスト・コンサート! 会場うんぬんの前に,キースの年齢&体調,次のソロ・コンサートが果たして行なわれるかどうか?
 これは行くっきゃないでしょう,ということで,ブログ仲間の 和仁さん と出かけることに…。今回のプレミア・チケットは和仁さんルートで,前から10列目真ん中やや右の良席をGET! 目と耳でキース・ジャレットの全てを“より”感じることができました。和仁さん,どうもありがとうございました。
 そんな「心優しきイラストレーター」和仁さんとお会いするのも初めて,(なんと)大阪へ行くのも初めて,とキースソロ・コンサート以外にも楽しみ事満載の“滞在20時間の夢の大阪”! 「関西の迎賓館」と謳われるホテルで安眠し,翌日の大阪城見物で「たこ焼き」を記念に食べてまいりました。

 さて,肝心のコンサート! ジャズメンで“ライブ”ではなく“コンサート”という言葉を使うのは,恐らくキース・ジャレットだけであろう。そう。聴衆にもそれなりの礼儀・マナーが求められるのが“コンサート”。その点で,今回のコンサートは失敗であった。
 今回は「携帯遮断装置?」なるジャミング導入ゆえ,着メロ攻撃の心配はなかったが,あの大きな咳払いは何なの? わざとなの? ハンカチを口に当てれば済むことだろうに…。もしかして大阪だから? いや,これは暴言でした。お許し下さい。

 事件は第二部の3曲目の冒頭で起きた。大きな咳払いの音がホール全体に響いた時,キース・ジャレットはとうとうピアノを弾くのをやめた。あの咳で全てが台無しになった。
 珠玉のバラードだった。何かが舞い降りたっぽかっただけに悔やまれる。もう一度,キース・ジャレットも最初から弾き直そうとするが出てこない。キース自身も2度と弾くことができない美メロであった。
 しかし過ぎ去った音はもう取り戻せない。この全てを即興の“宿命”として受け止めよう。あの咳のおかげで,幸か不幸か“即興の怖さ”を思い知らされた。キース・ジャレット即興に立ち会い,見届けることの“責任の重さ”を感じた気がした。

 むしろ,あの咳以上に気になったのが拍手の早さである。曲が終わるか終わらないかの微妙なタイミング。ピアノの余韻が消え去る前に拍手が鳴る。それが自然と心から出たものならしょうがない。しかし管理人には機械的な拍手に聞こえた。いや,もっと言えば「我先に拍手せん」と先を争って拍手していたように思えてならなかった。
 あぁ。あの早鳴りの拍手が,キース・ジャレットの意図に反して曲を“強制終了”させてしまっていなければよいのだが…。

 2時間20分。3度のアンコールでコンサートは終了した。赤いちゃんちゃんこ?の衣装を着けた,キース・ジャレットの還暦祝いも終了した。
 「キースキース…」。管理人の心の叫びにキース・ジャレットが答え応じることはなかった。キース自身も創造の神の降臨を待ち続けたことだろう。ごくごく“凡庸な”コンサートだった。
 “天才”キース・ジャレットにしては珍しい“普通の”コンサート。ここまで“平凡な”ソロ・コンサートを聴けたのも,ある意味貴重な経験である。キース信者としてはいつでもホームランを期待するが,それこそファンの身勝手というもの。管理人はすでに,ブレーメンローザンヌケルンサンベアパリと同レベルの名演とは2度と巡り会えないと覚悟を決めている。腹をくくっているから楽しめた。(強がりなのかもしれないが)素直に楽しめた。

 総額5万円,管理人とキース・ジャレットを結んだ,大阪への夢の旅。「行かずに後悔するより行って後悔」アリアリでしたが,キース・ジャレットと“あの”特別な時間を共有できた事実,ただそれだけで十分。心から満足している。

 
RADIANCE-1
レイディアンス〜ソロ 大阪/東京
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



使徒の活動15章 統治体からの手紙
WEATHER REPORT 『アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック