『BRAIN』の3曲目は【WIND SONG】(以下【ウインド・ソング】)。
【ウインド・ソング】には“ひろみメロディ”が詰まっている。“ひろみメロディ”とは,上原ひろみが音楽理論抜きに語る“感情の言葉”のことである。
バークリー音楽院で作編曲を学んだ上原ひろみは,頭の中で完璧な音楽を創造できる。言葉以上に音符の方が自分の気持ちを伝えやすいのではなかろうか?
しかし上原ひろみの音楽表現の本質は,彼女の感情表現そのものである。音符を越えた感情,音符になる直前にピアノから飛び出すフレーズにこそ,上原ひろみの“感情の言葉”が詰まっている。
1分55秒から数秒間のテーマの再演を聴いてほしい。ここでのフレーズは整然と音符化されたイントロからのテーマとは異なる。作曲時のインスピレーションそのままに手が動いている! その流れで続くアドリブでの飛翔感! これが羽毛のように“ふわふわと”軽く優しく舞い上がる!
空高く舞い上がった羽毛が引力により落下する様子を捉えたのが【ウインド・ソング】の聴き所! 一枚一枚,風に吹かれて表情を変化させる“ピアノの羽毛”が実にお見事! 読者の皆さんにも“ひろみメロディ”=オセンチ・バラードの“感情の言葉”にどっぷりと浸かってみてほしい。きっと泣けると思います。
HIROMI UEHARA : Piano, Keyboards
TONY GREY : Bass
MARTIN VALIHORA : Drums
コメント
コメント一覧 (4)
すみません、ご無沙汰してました。
ひろみさん良いですね。
オリジナルも好きなんですが、
最新作の「ビヨンド・スタンダード」気に入ってます。僕の好きなドビュッシーの作品も入ってますし、坂本九さんの「上を向いて歩こう」も良かったですが、「アイ・ガット・リズム」の3分03秒辺りからの速弾きに打たれました(笑)。
バラードも良いですが、
ひろみさんの速弾き大好きです。
ウキウキしてしまいます。
上原ひろみはピアノというより音楽で感情を語れるジャズメンです。
『ビヨンド・スタンダード』! ず〜っと聴きたかった上原ひろみのスタンダードもいいですね。期待以上の裏切りに酔っています。早弾きいいですよね。
和仁サイトのトップページ。またも雰囲気変わりましたね。和仁さんの新作も楽しんでいますよ。