『MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS』の5曲目は【BULLDOG】。

 【BULLDOG】の主役は,本田雅人EWIである。しかし,いつものように「明るく+爽やか+激しく」ではない。メジャーな旋律にも関わらず,音色の裏に「翳り」が貼り付いている。軽快なリズムが逆に物悲しく響いてしまう。

 そう。【BULLDOG】を聴いていると,極上ビートに身体が揺れるが,心は憂いに沈んでいく。T−スクェアで言えば『夏の惑星』で感じる“アレ”である。( ← 分かる人には分かるはず! )

 1分23秒からのメンバー全員によるソロ回しが,もろ「ニセスクェア」改め「VOE」の真骨頂! 松本圭司キーボード)→本田雅人EWI)→須藤満ベース)→則竹裕之ドラム)の2セットのアドリブは「フォー・オブ・ア・カインド」とは“毛色が違う”「VOE」だけのオリジナルである。
 やはり「VOE」のキーパーソンは松本圭司である。2分34秒からの則竹裕之ドラム・ソロと同時に松本圭司が一人で激しく動き出す!
 3分16秒以降のバッキング・アドリブには耳ダンボである。

 
MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS
MASATO HONDA : Saxophones, EWI, Flute, Synth-programming
KEIJI MATSUMOTO : Keyboards, Piano, Guitar, Accordion, Synth-programming
MITSURU SUTOH : Bass
HIROYUKI NORITAKE : Drums

MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS-1
MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS
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松居慶子 『コンポジションズ