『TONIC』の6曲目は【BUSTER RIDES AGAIN】(以下【バスター・ライズ・アゲイン】)。

 【バスター・ライズ・アゲイン】とはバド・パウエルの愛奏曲。ジョン・メデスキが最初に買ったブルーノートレコードは,バド・パウエルの『ジ・アメイジング』シリーズのどれか…。

 こう来ればジョン・メデスキバド・パウエルばりの“アドリブ炸裂”と思いきや,何とラテン・アレンジ! あの,変態集団=「メデスキ,マーチン&ウッド」が“明るく爽やかに”ドライブしている。普通にノリノリである。

 【バスター・ライズ・アゲイン】の聴き所は,一点勝負でビリー・マーチンメデスキ&ウッドによるバース交換! 「メデスキ,マーチン&ウッド」による,こんな平易なバースが聴きたかった!

 熱狂するラテン・ドラミングソロに,リズム楽器と化したピアノとメロディー楽器と化したベースが“対話する”フリーインプロヴィゼーションの連続であるが,安定したバース交換がもたらす“手放しの安心感”が肝!

 そう。【バスター・ライズ・アゲイン】はジェットコースターの安全バー。読者の皆さんも【バスター・ライズ・アゲイン】をお守りに,いざ,「メデスキ,マーチン&ウッド」の“アップダウン峠”をドライブしてみてほしい。超気持ちいいから〜!

 
MEDESKI, MARTIN & WOOD
JOHN MEDESKI : Piano, Melodica
BILLY MARTIN : Drums, Percussion, Mbira
CHRIS WOOD : Bass

TONIC-1
TONIC
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



詩編62編 本当の救いは神から来る
塩谷哲 『88+∞(EIGHTY-EIGHT PLUS INFINITY)