『SWEET HONEY BEE』の2曲目は【SUDEL】(以下【スーデル】)。

 【スーデル】は,1962年に「JAZZ LINE」からリリースされた『HUSH!』収録の再演である。
 【スーデル】の魅力とはとにかくノリの良さである。そしてテーマがキャッチーなので,いつでも頭の中でリピートできる中毒性がある。そんな名曲なのだから再演という選曲も自然な流れ!?

 ただし構成的にはわりと凝った曲調のようで,原文ライナーには「8,10,8,10のバー・シーケンス。10バー・セクションの各々の最初の4つの処置は倒置に基づく」と書かれている。
 そんなソロ・パートの間にアンサンブル・パートが挟まるような構成なので,メンバーのソロには個性が色濃い。

 『HUSH!』収録の【スーデル】は,ドナルド・バードジョニー・コールズのツイン・トランペットの微妙な陰影が素晴らしかったのだが『SWEET HONEY BEE』の【スーデル】でトランペットを吹き鳴らすフレディ・ハバードが,前出の2人をイメージしたのか抑え気味のトーンで,熱くなりすぎずクールにキメまくるのが実にカッコイイ。

 個人的には『SWEET HONEY BEE』の【スーデル】の方が『HUSH!』の【スーデル】以上に,デューク・ピアソンの“らしさ”が感じられて好みである。

 名曲はいつの時代に聴いても名曲である…。そしてデューク・ピアソン名演は時代と共に深化していく…。

PS こう書いてはみたが,現在は昔聴いていた『HUSH!』のCDが廃盤状態。ドナルド・バードの【スーデル】を今すぐ聴きたい! 今すぐ100回リピートしたい! 中古CD屋で『HUSH!』を毎回探している…。

 
FREDDIE HUBBARD : Trumpet
JAMES SPAULDING : Alto Sax, Flute
JOE HENDERSON : Tenor Sax
DUKE PEARSON : Piano
RON CARTER : Bass
MICKY ROKER : Drums

SWEET HONEY BEE-1
SWEET HONEY BEE
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