FIRST MEETING-1 『トライングル』でキース・ジャレットトリオに“肩を並べた”菊地雅章の「テザード・ムーン」が『FIRST MEETING』(以下『ファースト・ミーティング』)でキース・ジャレットトリオを超えてしまっている。

 超キース・ジャレット・フリークな管理人をして『トライングル』〜『ファースト・ミーティング』の「テザード・ムーン」は『ウィスパー・ノット』が発売されるまでの90年代キース・ジャレットトリオを超えていたのだ。

 何という衝撃! これは世界に知らせなければ,ということでアドリブログでの第二弾に選んだのは,矢野沙織・絶賛の次は「テザード・ムーン」絶賛の回である。

 さて『トライングル』の続編が『ファースト・ミーティング』なるタイトル名である。理由は『ファースト・ミーティング』が「テザード・ムーン」の秘蔵“ファースト・セッション”集。
 そうなるとピアノ菊地雅章ベースゲイリー・ピーコックドラムポール・モチアンでの“初顔合わせ”でキース・ジャレットトリオを超えてしまっていることになる。

 おお,またしてもゲイリー・ピーコック! 今夜の『ファースト・ミーティング批評の主役はゲイリー・ピーコック

 ピアノキース・ジャレットベースゲイリー・ピーコックドラムジャック・デジョネットによるキース・ジャレットトリオの“初顔合わせ”と来ればゲイリー・ピーコックの『TALES OF ANOTHER』! やっぱり大名盤

 冷静にキース・ジャレットトリオについて分析すると『ウィスパー・ノット』と『マイ・フーリッシュ・ハート』の2枚を除けば「キース・ジャレットトリオ結成30周年記念:『あなたの好きなキース・ジャレットトリオの1曲は?』」の結果通り『STANDARDS,VOL.1』『STANDARDS,VOL.2』『CHANGES』『STANDARDS LIVE』『STILL LIVE』,あるいは管理人の愛聴盤である『AT THE DEER HEAD INN』で決まりである。
← 『AT THE DEER HEAD INN』については,こちらもたくさん語りたいことがあって気持ちが早やって大変です。これが重要なのですがドラムジャック・デジョネットでなくポール・モチアンなのです。あっ,管理人はジャック・デジョネットドラムが大好きです。

 しかし上記6枚をしても『TALES OF ANOTHER』には達していない。理由はゲイリー・ピーコック
 キース・ジャレットトリオの「浮沈の鍵」を握るのは,いつだってゲイリー・ピーコック! ゲイリー・ピーコックの好不調の波がキース・ジャレットジャック・デジョネットにも少なからず影響を及ぼしている。

FIRST MEETING-2 だ・か・ら『ファースト・ミーティング』! 『ファースト・ミーティング』でのゲイリー・ピーコックが,これまた『TALES OF ANOTHER』並みの“キレッキレ”である。

 ゲイリー・ピーコックベースがとにかくイケイケ! リーダー=菊地雅章の意図を汲み取っているようにも思えるが,そこは“初顔合わせ”。悪気はなくともゲイリー・ピーコックの“地”が菊地雅章ピアノをリードしている。こんなにも“神懸った”ゲイリー・ピーコックを聴いたのは久しぶりの思いがしたものだった。

 『TALES OF ANOTHER』でのゲイリー・ピーコックが『ファースト・ミーティング』のゲイリー・ピーコック! 菊地雅章ピアノに,独特の音空間の間を与えつつ,間を埋めている。
 キース・ジャレット菊地雅章を“転がす”ゲイリー・ピーコックこそ「現代のベース・マイスター」に違いない。

PS 超名盤ファースト・ミーティング』の後日談。菊地雅章本人が『PLAY KURT WEILL』のライナーノーツの中で『ファースト・ミーティング』について「オレがやった仕事の中で,好きなレコード3枚の内の1枚に入ると思うよ。それほど気に入っている」と語っている。プーさん本人が選ぶ「生涯の3枚」のお墨付き。『ファースト・ミーティング』はやっぱり超凄すぎる演奏集だったのだ!

PS2 『ファースト・ミーティング批評を自分で読み返して,全部本当のことを書いているのだが,菊地雅章キース・ジャレットを超えていることへの言及が薄いし,何よりもポール・モチアン! マイルス・デイビス亡き後の“帝王”はポール・モチアン

 
01. Tethered Moon
02. Misterioso
03. Intermezzo / So In Love
04. First Meeting / Solar / Open Trio
05. P.S.

 
TETHERED MOON
MASABUMI KIKUCHI : Piano
GARY PEACOCK : Acoustic Bass
PAUL MOTIAN : Drums

(ウィンター&ウィンター/WINTER & WINTER 1997年発売/BOM-22035)
(☆直輸入盤仕様 ライナーノーツ/山本淑子)

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